演技デビューの少年たちに世界中から賛辞
『CLOSE/クロース』の監督を務めるのは、前作『Girl/ガール』で第71回カンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督賞)を受賞し、鮮烈なデビューを飾ったルーカス・ドン。長編2作目となる本作では、学校という社会の縮図に直面した10代前半に自身が抱いた葛藤や不安な想いを綴る思春期への旅の始まりを瑞々しく繊細に描いてみせた。
主人公・レオと幼馴染のレミを演じるのは、本作で俳優デビューとなるエデン・ダンブリンとグスタフ・ドゥ・ワエル。子供でもなく大人でもない10代特有の揺れ動く心情を表現した二人には、世界中から賛辞が贈られている。
また、色鮮やかな花畑や田園を舞台に無垢な少年に起こる残酷な悲劇と再生を描いたこの物語は、ヨーロッパ、アメリカ、アジアと世界各国で上映され、海外の映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では94%フレッシュ(2022.5.31時点)と高い満足度を記録。「感情を揺さぶるあまりの強さに打ちのめされた」(Screen)、「涙なしでは見れない傑作」(Los Angeles Times)と多くの映画人や観客を魅了している。
さらに、映画ファンから絶大な支持を得る気鋭の映画製作・配給スタジオ「A24」が北米配給権を獲得したことも話題に。世界中を涙に染めた珠玉の一作が、ついに日本でベールを脱ぐ。
仲良くスパゲティを食べる自然体なレオとレミが可愛い本編映像
主人公レオを演じるエデン・ダンブリンと幼馴染のレミを演じるグスタフ・ドゥ・ワエルは、本作で俳優デビュー。ルーカス・ドン監督は「感じたままに演じてほしい」と、とにかく時間をかけたという初演技の二人への演出について明かす。
脚本に書いてあるとおりに動く人形のような存在になってほしくありませんでした。演じる役を自分のキャラクターとして理解して、自分の中に落とし込むことによって、初めて作品やキャラクターが生き生きとしてくるんです。だから、脚本を読むのは最初だけにして、撮影現場では、エデンにはレオで、グスタフにはレミになったつもりで過ごしてもらいました。
その上で「なぜレオは、そこでレミを待たないんだろう?」などと質問を投げかけ、本人たちに考えさせることでより自然でリアルな感情の演技を出させていったという。このたび解禁となったのは、そんな自然な演技が光る本編映像。レオとレミがボケ合う仲の良い姿が可愛いシーンだ。
ずっと一緒に育ってきた兄弟のような関係の二人は、何をするにも一緒。この日もレミの家でレミの家族と共に、当たり前のようにスパゲティを食べているレオ。「これできる?」と耳を回して、スパゲティを吸い上げるマネをしてみせ周囲を笑わせると、負けじとレミもチャレンジしてみるという微笑ましいやり取り。友達のように距離感の近いレオとレミの母親との関係性も素敵で、劇中でも指折りの名シーンとなっている。
『CLOSE/クロース』は2023年7月14日(金)より全国公開