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わずか17歳の少女、警察署からの帰り道、その表情が胸を刺す『遠いところ』本編映像解禁 「次世代に残してはいけない問題」を正面から描く

わずか17歳の少女、警察署からの帰り道、その表情が胸を刺す『遠いところ』本編映像解禁 「次世代に残してはいけない問題」を正面から描く
『遠いところ』©2022 「遠いところ」 フィルムパートナーズ
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先行上映の沖縄でスマッシュヒット

沖縄のコザを舞台に、幼い息子と働かない夫と3人暮らしをする17歳のアオイ(花瀬琴音)が、社会の過酷な現実に直面する姿を描く『遠いところ』。第56回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭 [クリスタル・グローブ・コンペティション部門]に出品、Variety誌が「貧困にあえぐ日本の性差別を、痛烈に告発する。溝口健二的な現代悲劇」と激賞している。

6月9日から沖縄の3館で先行公開されると、「今を生きる大人の1人として知る必要がある映画」「自分の人生と重ねて見て、胸が苦しくなりました」(映画公式感想キャンペーンより)など、連鎖する貧困や若年出産などの社会問題を描いた本作が大反響を巻き起こしスマッシュヒット。中高生からシニア層まで幅広い観客が来場し、動員は1万人越えた。ミニシアターランキングでは、初週から3週連続でトップ5に入るという快挙を成し遂げている。

『遠いところ』©2022 「遠いところ」 フィルムパートナーズ

「警察の世話になって恥ずかしい。あんな仕事もうやめなさい」

このたび解禁となった本編映像は、キャバクラへのガサ入れで警察につかまったアオイが、唯一の頼れる家族であるおばぁ(吉田妙子)に引き取られて自宅へと帰る様子を捉えたもの。警察署の前を、幼い健吾(長谷川月起)を連れたおばぁ、その後を赤いハイヒールからサンダルに履き替えたアオイがトボトボと歩いている。

『遠いところ』©2022 「遠いところ」 フィルムパートナーズ

仕事を辞めて働かない夫は酒浸りで、息子の健吾との生活のために年齢を偽ってキャバクラで働いていたアオイだが、突然のガサ入れで警察に捕まり事情聴取を受けていた。翌朝、アオイを迎えに来たおばぁは「警察の世話になって恥ずかしい。あんな仕事もうやめなさい。朝まで毎日酒飲んで……。この子が可哀想さ」と叱責する。

それまで俯いていたアオイは、おばぁの背中に「ねぇおばぁ、健吾いい子にしてた?」と問いかける。思わず振り返ったおばぁは、アオイの頬を叩きながら「あたびち(愚か者)」と言い放ち、「アーッ」と行き場のない怒りがこもった大きなため息をつく。そして健吾のもとへ戻るおばぁの背中を見つめるアオイの髪が風に吹かれ顔を覆う。

おばぁが頬を叩くシーンは、あまりの迫力に工藤監督も驚いたという。アオイがますます孤立していくきっかけの一つとなる重要な場面だ。

当然ながら『遠いところ』が描くのは沖縄の局地的な社会問題ではなく、日本中のどこでも今まさに起こっている、決して次世代に残してはいけない深刻な問題である。

『遠いところ』は先行公開の沖縄で大ヒット上映中、7月7日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開

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