迫害される3家族の絆、国を超える母の愛
物語の舞台は1939年1月、ウクライナのイバノフランコフスク(当時はポーランド領スタニスワヴフ)。偶然、同じ屋根の下で暮らすことになった、ウクライナ、ユダヤ、ポーランドの3家族だったが、まもなく第2次大戦が開戦。
ポーランド、ユダヤ人の娘たちがソ連軍~ナチス・ドイツの侵攻により家族から引き離されてしまったため、子どもたちの出生を隠し、1つのウクライナ人家族として暮らすことになる。
やがて一人残されたウクライナ人の母は、運命の悪戯によりナチス・ドイツの子どもと共に暮らすことになるが、「この子に罪はない」と自分の子どもたちと同じよう懸命に戦火から守り抜く――
懸命に生きる人々に突きつけられる侵略の刃
ドイツに侵攻された第二次世界大戦下のウクライナ。ウクライナ人家族とともに暮らすユダヤ人家族イサクに、突然当局から呼び出しがかかる。
呼び出しの理由を何も聞かされていないイサクは正装で家族と共に当局に向かおうとするが、「バンドのユダヤ人も全員呼ばれた。今日は演奏に来ないと聞いている」という友人のウクライナ人ミハイロからの言葉に、イサクは全てを察し……。不安気な娘たちに「心配するな、すぐに戻るよ」と声をかけ、1人で向かうことを決意するイサク、最後まで夫について行こうとする妻。そして、夫婦の気持ちを尊重し、残される娘たちを受け入れる覚悟をするミハイロ夫妻。
このたび解禁された本編映像は、侵略者に巻き込まれるのは常に<普通の人々>なのだということがよく分かる、暖かくも悲しい姿を切り取ったものとなっている。