静かに精神を蝕む“白い拷問”の恐怖を描く『ナチスに仕掛けたチェスゲーム』公開記念！ 新旧「監禁映画」7作を厳選紹介

武器はチェス!? ナチスとの心理戦を描く衝撃作

『帰ってきたヒトラー』（2015年）のヒトラー役で知られるオリヴァー・マスッチが主演を務める『ナチスに仕掛けたチェスゲーム』が、2023年7月21日（金）より全国公開となる。

『ナチスに仕掛けたチェスゲーム』は、ナチスに抗議した文豪シュテファン・ツヴァイクの世界的ベストセラー小説「チェスの話」を映画化したもの。ナチス占領下のオーストリアを舞台に、ヒトラーの命令でホテルに監禁された男が、1冊のチェス本を武器にナチスとの心理戦に挑むヒューマン・サスペンスだ。なおツヴァイクは「チェスの話」を最後に亡命先で命を絶っている。

“白い拷問”の恐怖！ 名作「監禁映画」7選

本作で“白い拷問”を描いたと語るのは、監督のフィリップ・シュテルツェル。激しい暴行を伴わず静かに進行する監禁＝白い拷問は、主人公ヨーゼフの精神をゆっくりと蝕むが、観ている者にもただならぬ緊張感を与える。監禁する者、される者……関わる人間すべての狂気をあぶり出す装置でもあるこのモチーフは、これまでさまざまな映画で描かれ、スリリングな魅力を放ってきた。

『ナチスに仕掛けたチェスゲーム』© 2021 WALKER+WORM FILM, DOR FILM, STUDIOCANAL FILM, ARD DEGETO, BAYERISCHER RUNDFUNK

そこで今回は、ホテルの一室に監禁し一切の情報を遮断する“白い拷問”の恐ろしさを描いた本作にちなんで、同じく“監禁・隔離”を題材として描いたサスペンス映画7作品をピックアップ。「監禁もの」ブームを生んだ金字塔的スリラーから、鬼才監督による三部作シリーズの一作、暴走する家族愛を描いたサスペンスまで、どれも“監禁”の恐怖と絶望を味わえる名作ばかりだ。