注目のオートフィクション作品4選
『aftersun/アフターサン』2023年5月26日(金)公開
20年前のビデオテープに残る、11歳の私と父とのまばゆい数日間。
―――あの時、あなたの心を知ることができたなら。
思春期真っただ中のソフィ(フランキー・コリオ)は、離れて暮らす若き父・カラム(ポール・メスカル)とトルコのひなびたリゾート地にやってきた。輝く太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、親密な時間をともにする。20年後、カラムと同じ年齢になったソフィは、ローファイな映像のなかに大好きだった父の、当時は知らなかった一面を見出してゆく……。
陽光注ぐリゾート、きらきら揺れる海、今も残る、アフターサン(日焼け後)クリームの手触り―――すべてがまぶしかった。これは、誰の心にも在る、大切な人との大切な記憶の物語。
監督・脚本:シャーロット・ウェルズ(初長編監督作品)
出演:ポール・メスカル(ドラマ「ノーマル・ピープル」『ロスト・ドーター』)、フランキー・コリオ、セリア・ロールソン・ホール
プロデューサー:バリー・ジェンキンス(『ムーンライト』)ほか
『インスペクション ここで生きる』2023年8月4日(金)公開
ゲイであることで母に捨てられ、16歳でホームレスになった青年――。海兵隊在職中に映像記録担当としてキャリアを始めたエレガンス・ブラットン監督の長編デビュー作にして、彼の体験に基づく実話。
ゲイであることで母に捨てられ、16歳から10年間ホームレス生活を送っていた青年・フレンチ(ジェレミー・ポープ)。どこにも居場所を許されず、自らの存在意義を追い求める彼は、生きるためのたったひとつの選択肢と信じて海兵隊への入隊を志願する。だが、訓練初日から教官の過酷なしごきに遭い、さらにゲイであることが周囲に知れ渡るや否や激しい差別にさらされてしまい……。しかし、理不尽な日々に幾度も心が折れそうになりながらもその都度自らを奮い立たせ、毅然と暴力と憎悪に立ち向かうフレンチ。孤立を恐れず、同時に決して他者を見限らない彼の信念は、徐々に周囲の意識を変えていく。
主人公であるフレンチを演じたジェレミー・ポープは本作で第80回ゴールデングローブ賞主演男優賞(映画・ドラマ部門)にノミネート。また、音楽は「21世紀の最重要バンド」と評されるアニマル・コレクティヴが担当。逆境に屈せず前を向く主人公フレンチの姿をエモーショナルに彩っている。
監督:エレガンス・ブラットン
出演:ジェレミー・ポープ、ガブリエル・ユニオン、ラウル・カスティーヨ、マコール・ロンバルディ、アーロン・ドミンゲス、ボキーム・ウッドバイン