2004年の連載以来、「まるで1本の映画を観ているようだ」と漫画評論家の間や口コミで高く評価され、2010年に“漫画界のカンヌ映画祭”と呼ばれる「フランス・アングレーム国際漫画祭」でオフィシャルセレクションに選出、2020年にフランスメディアで発表された【2000年以降の絶対に読むべき漫画100選】で堂々の3位に選出されるなど、フランスを中心とした海外でも熱狂的な人気を誇る伝説的漫画、豊田徹也の唯一の長編漫画が映画化。『アンダーカレント』が、10月6日(金)より劇場公開される。
このたび、真木よう子演じる“かなえ”を取り巻く超個性的なキャラクターに魂を吹き込む実力派俳優が顔をそろえた総勢7名の追加キャストが発表され、コメントが解禁となった。
伝説的コミックが実写映画化
映画化決定が発表されるやいなやSNS上では、原作ファンを中心に、映画化への興奮と期待の熱がじわじわと広がり、主演・真木よう子の発表では、「まさにぴったり」「真木よう子×今泉監督の組み合わせを早く見たい」と熱狂的な支持の声が上がり、早くもその動向から目が離せない本作。“主演・真木よう子×監督・今泉力哉”という初の強力タッグで贈る、人間関係が希薄 になりがちな今の時代だからこそ贈りたい、おだやかな日常に漂う“心の奥底に沈めた想いを描き出す”心震える物語がここに誕生。
家業を継ぎ、夫の悟と銭湯を切り盛りし順風満帆な日々を送るかなえ。しかし突然、悟が失踪する。彼の行方は一向に分からず、 途方に暮れるかなえだったが、一時休業していた銭湯の営業を再開させる。そこに「働きたい」という謎の男・堀が現れ、ある手違いをきっかけに住み込みで働くことに。その日からかなえと堀の不思議な共同生活が始まる。友人から紹介された胡散臭い探偵・山崎とともに期間限定で悟を探しながら、穏やかな日常を取り戻しつつあったかなえ。しかしあることをきっかけに、堀、悟、そして実 はかなえも閉ざしていた心の底流(アンダーカレント)が、徐々に浮かび上がってくる—。
日本を代表する豪華実力派俳優が大集結
かなえが営む銭湯「月乃湯」に住み込みで働くことになる謎の男・堀 隆之には、『11・25 自決の日 三島由紀夫と若者たち』 『かぞくのくに』(12)で日本映画プロフェッショナル大賞主演男優賞、『かぞくのくに』でブルーリボン賞助演男優賞も受賞し、今泉力哉監督とは『かそけきサンカヨウ』(21)以来2回目となる井浦新。 失踪したかなえの夫・悟の行方を期間限定で探すことになる探偵・山崎道夫には、『凶悪』(13)で日本アカデミー賞優秀助演男優賞、『そして父になる』(13)で同賞最優秀助演男優賞を受賞し、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールに輝いた 『万引き家族』(18)では主演を務め、今泉力哉監督作品は『ちひろさん』(23)に続く出演となるリリー・フランキー。
突然失踪したかなえの夫・関口悟には、『ディア・ドクター』(09)で日本アカデミー賞優秀助演男優賞、ブルーリボ ン賞助演男優賞を受賞し、『怪物』(23)の公開が控える永山瑛太。かなえと悟の大学の同級生でかなえに探偵・山崎を紹介する・菅野よう子には、TVドラマ「時効警察」シリーズ(06・07・19)で注目され、『事故物件 恐い間取り』 (20)で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞し、今泉力哉監督作品では『愛がなんだ』(19)に続く出演となる江口のりこ。月乃湯を手伝う気の良いおばちゃん・木島敏江には、今泉力哉監督作品に『his』(20)、『猫は逃げた』(22)と続いて出演する中村久美。煙草屋の店主で月乃湯の常連・田島三郎には、40歳で映画デビューし、各作品において繊細で独特な存在感を見せる康すおん。月乃湯の近所に、小学生の娘・みゆと暮らすシングルマザー藤川美奈にはTVドラマ『おっさんずラブ』(18)で日刊スポーツ・ドラマグランプリ助演女優賞を受賞した内田理央。
<コメント>
井浦新(堀隆之 役)
撮影は雨の日の多い暑い夏でした。ロケ地も銭湯や水辺、身体に纏わりつく湿度、常に水を感じていた撮影期間でした。この作 品のキーになる水に寄り添われていたのは、映画の神さまからのギフトだったのかもしれません。原作の漫画がすでにシネマティックな ので、今泉組でつくる映画は各部が高いハードルを超えていく必要がありました。たくさんの大小様々な奇蹟が浮かんできたり漂っ たりして、それを皆んなで丁寧にすくい集めていました。
リリー・フランキー(山崎道夫 役)
人の心の底流に揺らぐ、透明で、つかみきれないもの。今泉監督の目線は、その映らないものを丁寧に手のひらですくいます。
永山瑛太(関口悟 役)
今泉監督作品が好きだったので、自分が出演する事が決まった時は、あの、変わった風貌の監督と会えるのか!こわい監督なの か!?と身構えましたが、「今泉力哉」って感じのカッコいい人でしたから、どんな演出にも応えられるよう、思考停止のまま現場へ 向かいました。 真木よう子さんとは何度も共演してますが、今まで彼女が演じてきた役が持つ、揺らぎや葛藤とは違う、本当の真木よう子の何か を目の前でひしひしと感じました。
ただ、私はよく分からない感情になりました。 かなえは何を感じていたか、分からなかったので、皆様が劇場で汲み取って頂き、 真木よう子の力を存分に味わってもらいたいです。
江口のりこ(菅野よう子 役)
『愛がなんだ』以来、また今泉さんの映画に参加出来ることが、とても嬉しかったです。繊細な脚本がどのような映画になっているの か、楽しみです。
中村久美(木島敏江 役)
まず原作を読んだ時、私で大丈夫かな?と少し不安になりました。私自身の佇まいを考えますと、善良なオバチャンの部分が見え 難いのではないかと心配だったのですが、今泉監督で主演が真木よう子さんと少しずつイメージを膨らませ、自分なりの屈託のない
オバチャン像を創り上げました。 皆さんに受け入れられたら嬉しいです。 作品はとても素敵に仕上がっておりますので 是非劇場に足をお運び下さい。
康 すおん(田島三郎 役)
人間って解らない、永遠に。深くて複雑で。
好きかと聞かれると戸惑う。
でも人間は他の何よりも一番面白い。だから人間を演じたい。そんな思いをずっと持ってきました。 物語にはそんな人間達が描かれていました。その一員となれた事、本当に嬉しかったです。 最初にお話を頂いてから、長い時間をかけて映画が完成しました。この時間は、自分に様々な作用をしました。関わった人達も同 じかもしれません。色々な想いが詰まった『アンダーカレント』を多くの人に見ていただけると幸いです。
内田理央(藤川美奈 役)
私は銭湯の常連のシングルマザーの藤川美奈を演じさせて頂きました。短い時間でしたが、今泉監督の作品に携わることができ、 そして皆さまとお芝居をすることができたことをとても嬉しく思います。 脚本は見入るように読みましたが、それがどのように映像になっているのか…私もとても楽しみにしております。
『アンダーカレント』は10月6日(金)より全国公開