“渇いた世界”に希望はあるのか? 生田斗真主演『渇水』予告編&新キャスト解禁

“渇いた世界”に希望はあるのか? 生田斗真主演『渇水』予告編&新キャスト解禁
©「渇水」製作委員会

人と人の関係が希薄になってしまった現代社会に、真の絆とは何かを問いかけ、観る者を“生への希望”で照らし出す珠玉のヒューマンドラマ映画『渇水』が、6月2日(金)より公開。このたび、予告編と本ビジュアル、新キャスト情報が解禁となった。

心を抉る傑作が誕生

1990年、第70回文學界新人賞受賞、第103回芥川賞候補となり注目を浴びた河林 満による「渇水」。〈生の哀しみ〉を鮮烈に描いた名篇が、『凶悪』(13)、『彼女がその名を知らない鳥たち』(17)、『孤狼の血』シリーズ(18、21)、『死刑にいたる病』(22)など、多くの重厚な作品を世に贈り出し続ける映画監督・白石和彌の初プロデュースにより刊行から30年の時を経て映画化。監督は、相米慎二、市川準、阪本順治、森田芳光、宮藤官九郎ら錚々たる監督作品で助監督としてキャリアを重ねた髙橋正弥。

主演には、『土竜の唄 シリーズ』(14、16、21)、『彼らが本気で編むときは、』(17)、『湯道』(23)など数々の映画作品、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(22)でも話題となり、華やかな人気と多彩な役どころを変幻自在に演じ分ける実力を併せ持つ俳優・生田斗真。水道料金を滞納する家庭の水を日々停めて回る業務に就く水道局員の主人公・岩切俊作が、心の渇きにもがきながらも“生の希望”を取り戻していくという難しい役どころを体現した。さらに門脇麦、磯村勇斗、尾野真千子ら実力派俳優が揃い踏み脇を固める。

「大雨降らせてやろうな、カラッカラの町に」

予告映像では、「督促の期限を過ぎましたので、停水を執行します」と、主人公・岩切俊作(生田斗真)と同僚の木田拓次(磯村勇斗)が水道料金を滞納する伏見(宮藤官九郎)の家を訪れ、水道を停止する場面から始まる。「町中カラッカラだってのに弱いものいじめというか…」と疑問を呈す木田に対し、「支払いが滞れば水道を止める、払えば開ける、俺たちにできるのはそれだけだ」と規則に則り粛々と業務を遂行する岩切の“渇ききった日常”が映し出される。

そんなある日、岩切はたった二人で家に残された幼い姉妹(山﨑七海、柚穂)に出会う。葛藤を抱えながらも「規則だから」と水道を停める岩切だったが、その姉妹が厳しい生活を強いられていく様子を目の当たりにすることになる。姉妹の母親である有希(門脇麦)に「それでも親か?」と投げかける岩切だったが、「あんたの家族は幸せなの?」と返され言葉を失う。妻と幼い息子との関係に問題を抱えていた。「このままじゃダメなんだよ」と苦悶の表情で叫ぶ岩切。この渇いた世界で、岩切が葛藤の末たどり着く結末とは—?「大雨降らせてやろうな、カラッカラの町に」という最後の言葉が意味するものとは—?

予告編前半には、向井秀徳が書き下ろした主題歌「渇水」も印象深く登場。

人間は苛立っている。
暴力的な真夏の陽射しが地方都市に降り注ぐ。
アスファルトに撒いた水道水は瞬時に蒸発して発光する。
そのギラつきが、匂いが、フィルムに刻まれている。
人間は常に苛立っている。絶望している。
そうなのか。そうではない。
そうではないはずだ、と、この映画は俺に問いかけている。
そんなことを思いながら「渇水」という曲を作りました。
(向井秀徳)

7名の新キャスト発表

水道料金滞納者・今西を宮世琉弥、同じく水道料金滞納者・坂上に吉澤健、有希の“今度の人” 大林に篠原篤、小出家の近隣住民・竹内に柴田理恵、熱帯魚店店長・石川に森下能幸、スーパーマーケット店長・細川を田中要次、岩切が関わることになる刑事・加東刑事で大鶴義丹が、それぞれ演じる。渇ききった岩切の人生にどんな影響を与えていくのか、期待が高まる。

『渇水』は6月2日(金)より全国公開

©「渇水」製作委員会

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