“ホラーの帝王”巨匠ダリオ・アルジェント監督の最新作『ダークグラス』が、4月7日(金)より公開。このたび、本作の貴重なメイキング映像が解禁となった。
“幻の脚本”が実現
ダリオ・アルジェント監督が82歳にして、前作から10年ぶりに完成させた本作は、自身のルーツであるジャッロに立ち返ったイタリアン・ホラー。2000年代初頭に脚本を執筆しながらも、製作サイドの事情で中止を余儀なくされた幻の企画がついに実現。盲目のヒロインがサイコパスの殺人鬼に脅かされる“見えない恐怖”をスタイリッシュに映像化し、「第72回ベルリン国際映画祭」におけるプレミア上映で大きな反響を呼んだ。
ダリオ・アルジェント監督の素顔とは?
血みどろの惨殺シーンや白いバンに激突される男性、悲鳴・ナイフ・銃声・ワイヤーなど、劇中では観るものを恐怖のどん底に突き落とす光景ばかりの本作だが、メイキング映像に映し出された制作風景はその対極で、笑顔に溢れた穏やかな空気に満ち溢れている。
プロデューサーの1人、コンチータ・アイロルディは、「ダリオは女性を主演に数多く撮りました。彼は女性をとても大切にします」と過去作でも多くの女性キャラクターを血祭りに上げてきたダリオが実は紳士的であることを語る。その理由に「娘さんが2人いるからでしょうね。彼は彼女たちを愛し自分の手で育ててきたんです」と良き父であることを挙げた通り、メイキング映像には、娘であるアーシア・アルジェントと、和気藹々と撮影に取り組む姿が抑えられている。
『フェノミナ』で一緒に仕事をした、特殊効果スーパーバイザーのセルジオ・スティヴァレッティは、「ある時家の電話が鳴り、ダリオに会ったんだ。久しぶりに旧友と再会できた気分だった。ダリオはエネルギーに満ちていて新しくて面白いことをやる熱意を感じた」と本作の参加にあたり、アルジェント監督がいかに意欲的な姿勢で挑んでいたかを語っている。また、「動物などを使うのを好む。その中でも犬が出てくる。『サスペリア』のように自己引用に近い形で襲うこの犬は、作品の登場人物とも言える」とアルジェント監督が自身の作品に好んで動物を登場させている点についても言及した。
あわせて公開されたメイキング写真は、ダリオ・アルジェントと主演のイレニア・パストレッリ、子役のシンユー・チャンが並ぶ3ショットだ。ずぶ濡れでボロボロの装いの俳優二人と、アルジェントがにこやかに撮影されるオフショットは貴重。
ダリオ・アルジェント愛に溢れた制作陣とのコラボレーションによって生まれた渾身のジャッロ。恐怖の帝王があなたを恐怖の世界に誘い、再びトラウマを植え付ける。
『ダークグラス』は4月7日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサほか全国順次公開