主要4部門受賞
2017年映画賞を総なめし、世界を震撼させた傑作『スリー・ビルボード』から5年。いまなお演劇界・映画界の最前線に立つ鬼才マーティン・マクドナーの全世界待望の最新作『イニシェリン島の精霊』(絶賛公開中)が、「第76回英国アカデミー賞」において、英国作品賞、助演男優賞(バリー・コーガン)、助演女優賞(ケリー・コンドン)、脚本賞(マーティン・マクドナー)の主要4部門で受賞を果たした。
すべてがうまく行っていた、昨日までは。
本作の舞台は本土が内戦に揺れる1923年、アイルランドの孤島“イニシェリン島”。島民全員が顔見知りのこの平和な小さな島で、気のいい男パードリックは長年友情を育んできたはずだった友人コルムに突然の絶縁を告げられる。急な出来事に動揺を隠せないパードリックだったが、理由はわからない。賢明な妹シボーンや風変わりな隣人ドミニクの力も借りて事態を好転させようとするが、ついにコルムから「これ以上自分に関わると自分の指を切り落とす」と恐ろしい宣言をされる。美しい海と空に囲まれた穏やかなこの島に、死を知らせると言い伝えられる“精霊”が降り立つ。その先には誰もが想像しえなかった衝撃的な結末が待っていた…。
快進撃が止まらない!
昨年度、「第79回ヴェネチア国際映画祭」でヴォルピ杯 男優賞(コリン・ファレル)、脚本賞(マーティン・マクドナー)の2冠を手にし熱い注目を浴びている本作は、先駆けて公開された3カ国で、同日公開の超大作『ブラックアダム』に引けを取ることなく、北米では全世界興収1億ドル突破の『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』に迫る、昨年の館アベレージ2位を記録し、イギリスでは週末興行収入ランキングで2位、そして物語の舞台でもあるアイルランドでは1位発進と各国で堂々の大ヒットスタートを切りった。
全米最大のレビューサイト「Rotten Tomatoes」でもほぼ満場一致の絶賛が続き、数々の賞レースではナショナル・ボード・オブ・レビュー賞でも本作が主演男優賞(コリン・ファレル)、助演男優賞(ブレンダン・グリーソン)、脚本賞(マーティン・マクドナー)の主要3部門も受賞し、「第80回ゴールデングローブ賞」では作品賞(ミュージカル/コメディ部門)、主演男優賞(ミュージカル/コメディ部門)(コリン・ファレル)、脚本賞(マーティン・マクドナー)の最多3部門で受賞、そして世界最大の映画の祭典、「第95回アカデミー賞」では本作が作品賞、監督賞(マーティン・マクドナー)、主演男優賞(コリン・ファレル)などを含む主要8部門9ノミネートを果たすなど快進撃を続けている。
才気に満ちたセリフの応酬とともに喜劇と悲劇のはざまを揺れ続け、突然訪れるクライマックスに震撼する、まさに“マクドナー印”の最新作『イニシェリン島の精霊』。ますま3期待のかかるアカデミー賞の授賞式は3月12日(現地時間)。
『イニシェリン島の精霊』はTOHOシネマズ シャンテほかにて絶賛公開中