鬼才・浦沢直樹 × 漫画の父・手塚治虫の名作『PLUTO』 Netflixにて初のアニメ化が決定

鬼才・浦沢直樹 × 漫画の父・手塚治虫の名作『PLUTO』 Netflixにて初のアニメ化が決定
Netflix『PLUTO』

名作『PLUTO』初のアニメ化

漫画『PLUTO』をアニメーションシリーズ化した作品が、Netflixにて独占配信されることが決定。

『20世紀少年』『YAWARA!』『MASTERキートン』(脚本:勝鹿北星・長崎尚志)など数々のヒット作を生み出している鬼才・浦沢直樹が、漫画の父と称される手塚治虫が生み出した『鉄腕アトム』の一篇『地上最大のロボット』(1964年)を原案に、長年作品を共につくってきた長崎尚志をプロデューサーに迎え、葛藤しながら描き上げた傑作『PLUTO』(2003年)。

人間と高性能ロボットが完全に共生する近未来で起こる上質なサスペンスドラマは、【手塚治虫文化賞マンガ大賞】をはじめ、「2011年アングレーム国際漫画フェスティバル」にて【インタージェネレーション賞】を、その他【ACBDアジア賞】を受賞するなど、国内外で高い評価を得た。2015年には舞台化され、2018年には好評につき再演を果たし、日本はもちろん、イギリス、オランダ・ベルギーと欧州ツアーも敢行された。多くのファンに映像化を待ち望まれていた作品がついにアニメとして表現される。

漫画の鬼才・浦沢直樹 × 漫画の父・手塚治虫

誕生から20年となる『PLUTO』がアニメ化されるにあたり原作者の浦沢直樹は、「今回のアニメ化に挑むスタッフの皆さんの勇気に心から拍手を送るとともに、新たな『心の作品』の誕生に心躍っています。今こそ手塚治虫さんのメッセージが世界中に届きますように」と自らの創作時を振り返りながら、世界へ『PLUTO』を届けることに期待を寄せた。原作プロデュースを手掛けた長崎尚志は、「『PLUTO』はその手塚哲学を受け継ぎ、ただ反戦を訴えるのではなく、そこには痛みがともなうこと……それでも平和しかないということを世に問いたい作品なのだ」と物語に込められた想いに触れた。

また、父・手塚治虫の意思を引継ぎ本作の監修を務める手塚眞氏は、「これは新しい浦沢アニメであると同時に、新しい手塚アニメでもある。アニメの進化形をどのように見せてくれるか、とても楽しみだ」とアニメの新たな1ページに期待を寄せた。

アニメ化にあたり、制作プロデュースを「ジェンコ」が、アニメーション制作をスタジオ「M2」が担当。映画『この世界の片隅に』で国内興行収入27億円を記録し、「第40回日本アカデミー賞」で【最優秀アニメーション作品賞】や「第41回アヌシー国際」で【アニメーション映画祭長編部門審査員賞】など数々の映画賞に輝いた、企画・プロデューサー陣が再集結。エグゼクティブプロデューサーとして真木太郎、丸山正雄が名を連ねる。

真木太郎は(株)ジェンコを創設以降、プロデューサーとして25年に渡り日本のアニメビジネス全体を牽引してきてきた人物。『PLUTO』についても『鉄腕アトム』同様、日本アニメ史に残る1作だと確信している。そして丸山正雄は、かつて手塚治虫が設立した(株)虫プロダクションにてキャリアをスタートさせ、その後マッド・ハウス(「ワンパンマン」「ちはやふる」)やMAPPA(「呪術廻戦」「坂道のアポロン」)など業界屈指のスタジオを設立し、これまでの浦沢直樹原作のアニメ化作品のプロデューサーを務めてきた人物。手塚治虫と浦沢直樹、2大クリエイターの才気に間近で触れてきた丸山が原作の魅力を120%引き出す。

制作決定PV&声優情報が解禁

解禁となった本作の制作決定PVは、物語の主人公であるユーロポールのロボット捜査官・ゲジヒトと、彼が追うある事件に関わるアトムとウランという二人のロボットが登場。いったいどのようなドラマが描かれるのか期待が高まる映像となっている。

映像に登場したキャラクターたちを演じるのは、ゲジヒト役にスパイ映画の金字塔『007』シリーズや映画『ナイブズ・アウト』シリーズで好演を博したダニエル・クレイグの吹き替えを担当している藤真秀、アトム役に「SHAMAN KING」(2021)の主人公・麻倉葉や「けいおん」の秋山澪など幅広い演技経験を持つ日笠陽子、そしてウラン役は「マクロスΔ」にてヒロインのフレイア・ヴィオンを演じ、今年歌手活動5周年を迎えた鈴木みのりが抜擢された。

<AnimeJapan 2023>浦沢直樹が初参加!

3月25日(土)と26日(日)に「東京ビッグサイト」にて開催される<AnimeJapan 2023>のBLUE STAGEで実施の「ネトフリアニメ スペシャルステージ」(25日開催)に、浦沢直樹を始め、手塚眞、日笠陽子、鈴木みのりが登壇することが発表された。アニメ化解禁後初となる、公の場にて浦沢直樹の口から何が語られるのか?期待が高まる。

【コメント全文】

浦沢直樹
60年前の発表以来、その言いようのない切なさに私の心が揺さぶられたように、多くの人の「心の漫画」となった「鉄腕アトム」の挿話「地上最大のロボット」。
この作品のリメイクがいかに難事業かを身をもって知る私は、今回のアニメ化に挑むスタッフの皆さんの勇気に心から拍手を送るとともに、新たな「心の作品」の誕生に心躍っています。
今こそ手塚治虫さんのメッセージが世界中に届きますように。

長崎尚志
60年前、『PLUTO』の原作『地上最大のロボット』が誕生した。
最強の戦闘能力を持つロボット達が競う物語だったが、これまでのアトムにはこの手の対戦形式の作品はなく、当時の少年達は熱狂した。アトムファンというより『地上最大のロボット』ファンの誕生だ。その渦中にいた私は、この作品が単に誰が強いかを描いた作品ではなく、もっと深い何かを伝えたいのではないか、と感じていた。そして『PLUTO』に挑んだ時、答えが出た。手塚治虫は預言者だったのだ。現代、我々が直面している戦争とは、東西の文化や考え方の違いを理解し、尊重しなかった結果である。『PLUTO』はその手塚哲学を受け継ぎ、ただ反戦を訴えるのではなく、そこには痛みがともなうこと……それでも平和しかないということを世に問いたい作品なのだ。

手塚眞
ついに、やっと、『PLUTO』がアニメになる。いつかこれは映像にされるべきだと思っていた。
何度も企画が立ち上がりまた消えていったのは、その内容の難易度の故だ。確かにハードルが高い。
しかしだからこそ挑戦のしがいがある本物中の「本物」だ。
そしてこれは新しい浦沢アニメであると同時に、新しい手塚アニメでもある。
アニメの進化形をどのように見せてくれるか、とても楽しみだ。

『PLUTO』は2023年にNetflixにて独占配信

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