2019年あたりからネット上を騒がせている怖ネタ「The Backrooms」から派生した短編ホラー映像が、あのA24配給で長編映画化されることが決定したようだ。
YouTubeでバズった都市伝説スリラー
「The Backrooms」は某ネット掲示板に投稿された画像から生まれた、リミナルスペース(見慣れた場所・広大なのに誰もいない不自然さを感じる現象・空間)をベースとするシェアワールド/オンライン神話。悪夢に現れるような未視感をおぼえる空間は多くのネット民を魅了し、いわゆる「クリーピーパスタ」と呼ばれる真偽不明のネット都市伝説の一つとして広まっていく。
そして2022年にファウンド・フッテージ形式の動画「The Backrooms(Found Footage)」がYouTubeにアップされると、あっという間に数千万再生を記録。この短編ホラーを撮ったケイン・パーソンズは、なんと2005年生まれ! もともと彼のチャンネル<Kane Pixels>では様々なインダストリアル~懐古系超常映像を作成していたようで、そのクオリティの高さに驚かされると同時にシェアワールド発らしいクトゥルフみも強く感じる。
ジェームズ・ワンら最強の布陣で長編映画化
そんな若き才能にいち早く目をつけた(争奪戦に勝利した?)のが、気鋭の映画制作スタジオA24。パーソンズ自身が監督を務め、ジェームズ・ワン監督の<アトミック・モンスター>が製作、『サン・オブ・アナーキー』や『ウエストワールド』に関わってきたロベルト・パティーノが脚本という布陣で長編映画化しようというのだ(パーソンズは学生なので夏休み中に製作するらしい)。
A feature film adaption of ‘THE BACKROOMS’, based on the viral YouTube horror series, is in the works at A24.
— DiscussingFilm (@DiscussingFilm) February 6, 2023
Kane Parsons will direct the film over his Summer vacation, with James Wan & Shawn Levy set to exec produce. pic.twitter.com/1IrpUrFlfV
実際「The Backrooms」には、まんま映画化できそうな要素が揃っている。1991年という時代設定、8mmビデオテープ、4:3のスタンダードサイズの映像にはノイズが走り、17歳とは思えないセンスが端々から感じられる。Netflix『ストレンジャー・シングス 未知の世界』なんかが好きな人にもウケそうな仕上がりで、初期「女神転生」シリーズを思い出すアラフォー世代もいるかもしれない。
すでに多くのファンを抱えているだけに、FANDOMには「Kane Pixels/The Backrooms」のWikiもあり、「Found Footage」以外の短編作品(現状16作品)の解説も網羅しているので、イッキ見のお供として大変有用。劇中に登場する架空組織(企業?)Asynch社の公式グッズまで展開していて、こういったセンス(としたたかさ)にも脱帽させられる。今のところ公開時期などは不明だが、「The Backrooms」映画化の続報を気長に待とう。