ティモシー・シャラメとルカ・グァダニーノ監督が再タッグを組んだ映画『ボーンズ アンド オール』より、特別映像「純愛ホラー編」が解禁となった。
世界中で賛否を読んでいる“人喰い”ロードムービー
ヴェネツィア国際映画祭後もアカデミー賞の前哨戦に数えられるインディペンデント・スピリット賞やゴッサム賞でも複数の部門にノミネートされた禁断の純愛ホラー『ボーンズ アンド オール』。社会の片隅で生きるマレンとリーが抱える秘密。それは生きるため本能的に人を喰べてしまうこと。その「謎」を解くための二人の逃避行、そして予想だにしない純愛のゆくえが、世界中で賛否を生んでいる。
このたび解禁された映像は、米ハリウッド・レポーターが「ルカ・ダァダニーノ監督は、“人喰い”というホラーの題材を、アメリカを舞台にしたロードムービーとしてアプローチしました。単なる恐怖ではなく、愛と人生に対する人の必要性を問いかける作品」と評し、「2022年公開のホラー映画トップ10」(※2022年12月25日配信記事/1位はジョーダン・ピール監督の『NOPE ノープ』)の第2位に選出されたことを裏付けるような衝撃的な内容となっている。
「食い尽くしてやった。気分最高だった」
映像は、自分探しの旅をするマレンが、自分と同じ“人喰い”の青年リーと出会い、ダイナーで食事する場面で始まる。マレンが「なぜ私を誘ったの?」問うと「いい人っぽい」からとリーが微笑み、「(私は)いい人よ」という彼女に大きく頷き、「俺はどう?」と尋ねる。この場面の撮影現場で、主演の二人に「天才的だ。すばらしい」と声をかけたルカ・グァダニーノ監督が、「『ボーンズ アンド オール』は愛の不可能性を描く映画だ。居場所を探すことも描く」とコメントし、社会の片隅で生きる二人の出会いの場面がインサートされる。
主演&製作のティモシー・シャラメは、「よそ者であるふたりに共感できると思う。マレンは世間知らずで、自分とは何かを模索している」と、“人喰い”という宿命を背負った二人が惹かれ合い、居場所を捜す旅を続ける姿は、孤独感を抱える現代の若者の心にも響くはずだと言う。
「誰も傷つけたくない」と願うマレンに、「ルールはそれぞれ、僕と君は違う。喰わなきゃ生きていけないんだ」と語気を荒げるリー。マレン役のテイラー・ラッセルの「自分らしく生きる方法をリーが知っていると感じている」「彼はマレンに自分を変えず、受け入れるよう促す」という言葉を受けて、ティモシーは「持つべきではない重荷を背負っている人もいる。これは一緒にいても安全ではないけれど、お互いに癒やされ、深く愛し合う二人の映画だ」と、ホラーの枠を超えて“純愛”を描く本作の魅力に言及している。
“人喰い”という禁断のテーマに挑んだルカ・グァダニーノ監督は、「二人が直面する不可能性は、私たちを形作る可能性を反映したものだ」と言う。旅の途中、高原で二人が言葉を交わすシーンでは、葛藤を続けるリーの瞳に大粒の涙が溢れる。テイラーは「嫌な面も含めてその人のすべてを知って、ありのままを愛すことは、稀だと思う」と二人のピュアな愛についてコメントを寄せている。
この「純愛ホラー編」はラストで急展開。凶暴な表情で人に襲いかかるリーの姿に、「何をしたの?」とマレンが問うと、「食い尽くしてやった。気分最高だった」とリーが呟き、倒した相手を見下ろす彼の姿をとらえて幕を閉じる。「人を傷つけたくない」と願うマレンと、「喰わなきゃ生きていけないんだ」と叫ぶリー。禁断の宿命を背負った二人の愛の旅路には、どんな結末が待ち受けているのか。R18作品で輝くティモシーの衝撃的な姿も必見だ。
映画『ボーンズ アンド オール』は2月17日(金)より全国公開