『ニュー・シネマ・パラダイス』(1988)のジュゼッペ・トルナトーレ監督が、映画音楽の巨匠、故・エンニオ・モリコーネの葛藤と栄光に迫る圧倒的音楽ドキュメンタリー『モリコーネ 映画が恋した音楽家』が2023年1月13日(金)より公開。このたび、あの名曲の誕生秘話と運命の出会いについて語る本編特別映像が解禁された。
モリコーネとトルナトーレ監督が語る本編特別映像
2020年7月、世界は類稀なる存在を失った。エンニオ・モリコーネ、享年91歳。500作品以上の映画とTVの音楽を手掛け、アカデミー賞に6度ノミネートされ『ヘイトフル・エイト』(15)で遂に受賞、全功績を称える名誉賞にも輝いた。そんな伝説のマエストロに、弟子であり友でもあるジュゼッペ・トルナトーレ監督が密着、結果的に生前の姿を捉える最後の作品となってしまった音楽ドキュメンタリー映画が『モリコーネ 映画が恋した音楽家』。
成長した少年トトがアルフレードとともに過ごした映画館を訪ねる様子も
映像は、モリコーネがトルナトーレ監督と初めてタッグを組んだ『ニュー・シネマ・パラダイス』の1シーンから始まる。本作をきっかけに二人は初めて出会い、友情が生まれ、以降、トルナトーレ監督が手がける全ての作品の音楽をモリコーネが担当することなった記念碑的作品でもあるが、実は、最初の作曲オファーは“モリコーネから断っていた”と言う。しかし「もう一度電話があって“とにかく脚本を読め”“感想を知らせろ”」とプロデューサーから言われたモリコーネが脚本を気に入り、トルナトーレ監督に「会いたい」と電話。「興奮して会いに行った」「彼は新人の私を対等に扱ってくれた」とトルナトーレ監督が明かすように、同作以降全ての作品でタッグを組むことになる二人の運命の出会いについて振り返るシーンを捉えたものになっている。
シチリアの小さな村を舞台に映写技師と少年の交流を描き、美しさと同時に切なさも感じさせるメロディとともに世界中にファンを持つ不朽の名作『ニュー・シネマ・パラダイス』。映画に魅了された少年トトが映写技師アルフレードとともにフィルムをセットする様子やトトが大人になってからアルフレードとともに過ごした映画館を訪ねる様子ほか、同作から切り取られた珠玉の映像も必見だ。
モリコーネ自らが自身の半生を回想し、かつては映画音楽の芸術的地位が低かったため、幾度もやめようとしたという衝撃の事実の告白、そして、いかにして誇りを手にしたか?
数多の傑作の名場面とワールドコンサートツアーの演奏と共に紐解かれ、さらに、クエンティン・タランティーノ、クリント・イーストウッド、ウォン・カーウァイ、オリバー・ストーンら70人以上の著名人のインタビューによって、モリコーネの仕事術の秘密が明かされる本作。モリコーネのメロディを聴くだけで、あの日、あの映画に胸を高鳴らせ涙した瞬間が蘇る。同じ時代を生きた私たちの人生を豊かに彩ってくれたマエストロに感謝を捧げる、愛と幸福に満ちた音楽ドキュメンタリーだ。
『モリコーネ 映画が恋した音楽家』は2023年1月13日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー