胸糞MAX描写、下ネタ炸裂、ドン引き展開の波状攻撃 R18指定ドラマ『ザ・ボーイズ』最も検索されたシーンは?

胸糞MAX描写、下ネタ炸裂、ドン引き展開の波状攻撃 R18指定ドラマ『ザ・ボーイズ』最も検索されたシーンは?
『ザ・ボーイズ』©︎Amazon Studios

最も検索されたシーンは?

2022年6月に配信されるやいなや、相変わらずの痛快さ、胸糞MAXな描写、下ネタ全開、複雑かつ衝撃展開の連続で話題を振りまいた『ザ・ボーイズ』シーズン3。今シーズンも寝不足のファンを大量生産しており、一気見ですでに観終えたという方も多いのでは。早くも『ザ・ボーイズ』ロスに喘いでいるファンはやはり多いようで、シーズン1から3までの名シーン(あるいは胸糞シーン)が検索されているようだ。

そんな中で最も検索されたシーンを10位から1位まで紹介するのがこちらの動画。胸のすく、そして胸糞!が同時に入り乱れる『ザ・ボーイズ』史上最も検索されたシーンTOP10ランキング、復習にもってこいなのでぜひご覧あれ。

※物語の内容に触れています。ご注意ください

10位:シーズン2 エピソード4「クジラに突撃するシーン」

エラを持ち、海を泳ぎ、海の生き物と心通わすディープ(チェイス・クロフォード)は、時にタコに◯◯◯を強要する、渚のお下劣お間抜けマーマン(人魚)。要はアクアマンの劣化版だ。海洋生物、特に海洋哺乳類と環境保護に異常な愛情を見せる人々をいじるキャラで、その存在自体がシリーズに通底する皮肉であることは言うまでもない。中でもクジラやイルカには特に思い入れが強く、傷つけられようものならものすごい勢いで取り乱すアメリカ人たちの神経を逆撫でするクジラ惨殺シーン、日本で言うなら柴犬を人力車で轢き殺するようなものか。胸糞な気分になるか爆笑するかのどちらかだが、ともかくこれぞ『ザ・ボーイズ/THE BOYS』なシーンである。

9位:シーズン1 エピソード1「主人公の彼女を木っ端微塵にしてしまうAトレイン」

この物語のそもそもの始まり。ドラマのスタートから10分かそこらで、主人公の恋人が目の前で超人に轢き殺されて手首だけ残ったミンチになるなんて、「どんなシリーズだよ!」と鬼ツッコミが各地から噴出したオープニングだ。轢き殺したAトレイン(ジェシー・T・アッシャー)は「いや、オレ止まれないんだよ、急いでるし……!」などと、謝りもせずしょうもない言い訳をするのも最高に最低。しょっぱなから呆れるほどエグく、この後どれほどの胸糞な話が展開されるのかを予感させるに十分な、これ以上ない幕開けである。

8位:シーズン1 エピソード4「乗客を余裕で見捨てる鬼畜ヒーロー、ホームランダー」

シーズン1で最も象徴的な胸糞エピソード。テロリストから航空機を守ったかと思いきや、航空機が墜落を免れないとわかるとあっさりと乗客を見捨てる、我らが最強超人ホームランダー(アントニー・スター )である。大人気超人グループ“セブン”の一番人気の彼が実は他人を見下し、自分への賞賛にしか興味がなく、自己承認欲のためなら平気で他人を見殺しにする筋金入りのサイコパス野郎であることが端的に表現された伝説的シーンだ。仕方ないとはいえ、結局従ってしまう美女超人クイーン・メイヴ(ドミニク・マケリゴット)も、まあそこそこにクズである。

7位:シーズン2 エピソード5「ホームランダーの妄想」

超人気超人グループ“セブン”のリーダーにして病的極悪サイコパス、ホームランダー。人々をゴミのようにしか思っていないくせに愛情と賞賛を求めてやまない彼が、人気を失い、カリスマ視されなくなり、大衆から非難され、激昂した日にはどうなるか。表向きこそ正義のスーパーヒーローだが、本質は極悪非道のクズ野郎でしかない彼の本質と願望が現れた妄想シーンは、残虐性&変態性が続く衝撃のシリーズでもなかなかに衝撃だった。ウィリアム・“ビリー”・ブッチャー(カール・アーバン)らザ・ボーイズが立ち上がらなければ、世界は本当に地獄のようになってしまう、と改めて思い知らされたシーンだ。

6位:シーズン 3 エピソード2「ホームランダーのぶっちゃけスピーチ」

「諸君らはキリストに感謝すべきだ、私が私であることを! なぜか? 貴様らにはこの私が必要だからだ。そうだろう!? お前らを、人々を救えるのは私だけなのだ。“全ての人々が本当のヒーロー”だと? 違うね。私だけが本物のヒーローだ……!」

心の底のエグい本音を、知性も理性もなく晒してしまったらどうなるか? 普段言えない本音は、軽蔑されるだろうか。思っていても口にするのが憚ることを、あけすけに弁じてくれる強烈な存在がいたら、案外支持を集めてしまうことがある。なんだか、どこかで聞いた話である。人気を二分するヒロイン、スターライト(エリン・モリアーティ)の慈善活動キャンペーンでのぶっちゃけ本音演説はホームランダーの偽らざるエグい本音を世に晒す結果となった。しかし、それで世間の非難を浴びたかと言えば、必ずしもそうならないどころか、むしろ支持されてしまう。どこかで聞いたような話のような気もする。

5位:シーズン1 エピソード4「変態、ザ・ディープの異常なイルカへの愛情」

何かと生き物を救い出そうとしては失敗するディープ。その夜は自身がキャラクターを務める海洋テーマパーク”オーシャンランド”から、イルカを救い出そうとする。無事に車へと運び込んで逃走する最中、後部に吊るされたイルカが何やらイルカ語でしゃべっている。こちらには何を言ってるのかがまるでわからないが、ディープは「あー、まあ今はとりあえずお前を逃すことに集中して、そのことは後で話そう」と適当に返事をしているあたり、不満でも垂れているのだろう。すると追跡してきたパトカーが割って入り、スパイスガールズの代表曲「Wannabe」のサビ、“friendship never ends(友情は永遠)”の部分が流れる中、イルカは吹っ飛んでゆき、フロントガラスを突き破って吹き飛んだ先で大型トラックに轢き潰されてしまう。美しいイルカの絵で有名なクリスチャン・ラッセンの愛好家たちが観たら発狂してしまいそうな、短いながらも爆笑必死な強烈シーンだ。

4位:シーズン3 エピソード4「ソルジャー・ボーイの歌謡番組出演シーン」

シーズン3登場のキーマン、ソルジャー・ボーイ(ジェンセン・アクレス)。旧世代ヒーロー集団”ペイバック”のリーダー的存在で、要はホームランダーの先代にあたる存在だ。当時絶大なヒーローだったそのソルジャー・ボーイが往年の歌謡番組『ソリッド・ゴールド』に出演したシーンである。70年代に人気だった実際の番組『ソウル・トレイン』的な架空の番組だが、『ソウル・トレイン』が番組名どおりブラックミュージックやディスコ中心のショーだったのに対し、この『ソリッド・ゴールド』にはディスコ期のビージーズっぽいグループや、白人のキラキラなダンサーばかり。どう見ても白人至上主義な匂いがぷんぷんする。そしてソルジャー・ボーイによるクソダサいラップ……白人によるブラック・カルチャー搾取パロディなのは言うまでもなく、最初の白人ラッパー、ヴァニラ・アイスを思い出させる。この名前を聞いてハッとした人はさすが、ヴァニラ・アイスは「ジョジョ」シリーズ第三部のスタンド使いのモデルとなった人物である。

3位:シーズン3 エピソード6「ホームランダー VS ソルジャー・ボーイ」

新旧アメリカン・スーパーヒーロー代表対決に“普通の人”ブッチャーとヒューイ・キャンベル(ジャック・クエイド)が加わったこの戦い。シーズン3のクライマックス的シーンの一つで、ホームランダーのビームで誰もが死んだと思われていたブッチャーがまさかの加勢を果たす。実は強化薬“V24”で超人のパワーを手に入れていたのだ。しかし薬の副作用でブッチャーはなんと余命一年の宣告という残酷な現実を突きつけられてしまう。

残酷な現実といえば、ホームランダーとソルジャー・ボーイの関係性にも言えることだ。シーズン3のテーマのひとつに“父と子”というものがあるが、「スター・ウォーズ」サーガ同様、父子関係はいつの時代も難しいテーマだ。何せこの超人たち、こぞって人格に問題のあるクズばかりなのである。親子関係なんてうまくいくわけがない。だって父子揃ってクズなんだから。

2位:シーズン3 エピソード8「ブラック・ノワールの死」

“セブン”のメンバー、ブラック・ノワール(ネイサン・ミッチェル)。“セブン”加入前は旧世代ヒーロー集団“ペイバック”のメンバーだったが、ソルジャー・ボーイとホームランダーの関係性を知っている側のキャラクターだった。しかしそれを隠していたとしてホームランダーの粛清を受け、無惨にも殺されてしまう。ズルッ!と内臓を引きずり出される死に方は無骨というか、何とも生々しい。

そして今際の際に、ブラック・ノワールが見るのは心の拠り所だったアニメ『バスター・ビーバー』のキャラクターたちだ。「僕たちは君を誇りに思うよ……! 苦しいだろうけど安心して。君はもうすぐキリストの腕に抱かれて安住の地に旅立つのだから……」と涙ながらに語りかけるバスター・ビーバー。もちろんノワールの妄想だし、バスターのコテコテなセリフが白々しい。ちなみに“ノワール”はフランス語で「黒」という意味。つまり“ブラック・ノワール”というネーミングは日本の特撮ドラマのメンバーに“青色ブルー!”と名づけるようなもので実に間抜けである。ひょっとして自国のアメリカ人が陥っている外国語リテラシーの低さを自嘲しているのだろうか。

1位:シーズン3 エピソード8「シーズン3 最後の戦い」

“シーズン3 最後の戦い”。これはもう情報過多すぎて、ここまでのエピソードを全部を観てもらうほかない。入り乱れて戦うブッチャー、ホームランダー、ソルジャーボーイ、クイーン・メイヴ、ライアン少年など各キャラクターそれぞれの思惑や、複雑すぎるそれぞれの事情。彼らの深すぎる黒歴史。贖罪と落とし前、新たな不安や脅威、そして希望が一斉に爆発する圧巻のクライマックスである。

辛辣な風刺と凄すぎるストーリーで魅せる『ザ・ボーイズ』の真骨頂といえるクライマックス。来たるシーズン4への期待が、なおさら膨れ上がっていく。続編までもうしばらく時間がかかりそうだが、観るたびに新たな発見のある風刺と皮肉とギャグと濃密なドラマはリピート必至。正月休みは過去シーズンを見返してみよう。

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