インドの名作映画5,000本を修復・デジタル化 インド国立フィルム・アーカイブの大事業が進行中

インドの名作映画5,000本を修復・デジタル化 インド国立フィルム・アーカイブの大事業が進行中
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インドの古典作品5,000本をデジタル化

1964年に設立された<インド国立フィルム・アーカイブ>(National Film Archive of India、以下:NFAI)が、インド映画史における貴重な古典作品5,000本を修復する大事業に取り組んでいる。

すでにこの取り組みにより、ベンガル語映画のサタジット・レイ監督による『対抗者(Pratidwandi)』(1970年)が2022年のカンヌ映画祭で、『チェスをする人(Shatranj Ke Khilari)』(1977年)がベニス映画祭で上映されたという。

なお古典作品5,000本すべてがデジタル化され、そのうち2,200本が修復される予定とのこと。

NFAIの取り組みを集会する大規模展示も

<Variety>によると、NFAIは「National Film Heritage Mission(国家映画遺産委員会)」を設立し、フィルムの寿命を確認するためのリールの状態評価、名画の2K/4K画像と音声の修復、各作品の新しい画像と音声インターネガ(※プリント用にコピーされたフィルム)の記録、映画のデジタル化、さらにアーカイブと保存施設の建設や社内能力開発のためのトレーニングとワークショップ、WEBベースのE2EなITソリューションなどを今後の目標として掲げている。

ゴア州で開催された映画マーケット<Film Bazaar>のパビリオンでは、そんなNFAIの取り組みが紹介された。NFAIの代表によると、同マーケットでは35mmのフィルムリールや現在稼働中の16mm映写機、貴重なポスター、歌曲集、VHS/ベータテープに至るまで様々なフォーマットの映画アーカイブを展示。またパビリオンでは、最終的に何千もの長編映画やドキュメンタリー、短編映画がデジタル化/復元されるNFHMの仕事にも焦点が当てられたという。

近い将来この取り組みにより、過去数十年ぶんに及ぶインドの知られざる名作映画をいつでも観られることになるかもしれない。

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