『新聞記者』(2019年)、『パンケーキを毒見する』(2021年)など、話題作を世に送り出しているスターサンズ・河村光庸プロデューサーが企画、有村架純と志尊淳という、名実ともに今最旬の2人を迎え、コロナに打ちひしがれた日本の職場で、「エッセンシャルワーカー」と呼ばれる保育士、介護福祉士などの人々、その他、声なき仕事人達の現状をレポートする。監督は、『さんかく窓の外側は夜』(2020年)の森ガキ侑大。二人の俳優が、決して役ではなく、一仕事人として、現代社会と向き合い、仕事の意味を再発見し、私たちが生きて行く上で切っても切り離せない仕事とというものの価値を、改めて見出していく『人と仕事』が2021年10月8日(金)より全国3週間限定で劇場上映される。映画の公開決定がアナウンスされるやいなや、「今の時代ならではの新しいタイプの映画」、「自分にも当てはまる内容だから気になる」、「この大変な状況のなか撮影を中止にせず別な形で映画を作ったことに【光】を感じる」など早くもSNSを中心に大きな話題になっている。
常に挑戦し続ける映画会社スターサンズ
本作のエグゼクティブプロデューサーを務める河村光庸によって2008年に設立されたスターサンズ。 当初は外国映画の配給を中心にしていたが、2012年に公開された『かぞくのくに』以降、 『あゝ、荒野』(2017年)、『愛しのアイリーン』(2018年)など話題作を次々と世に輩出した。 そして2019年、東京新聞記者である望月衣塑子の著書を原案とした映画『新聞記者』が日本 アカデミー賞6冠を受賞。作品はもちろん、この映画を製作したスターサンズも大きな注目を集めた。 2021年も綾野剛と舘ひろしが初共演を果たした『ヤクザと家族 The Family』、日本映画史上初めて現役の総理大臣を題材にした『パンケーキを毒見する』と言った話題作を制作。そして2021年9月 23日には古田新太と松坂桃李が共演する映画『空白』が公開。娘を交通事故で亡くした父親と、 その交通事故の原因を作ってしまったスーパーの店長、そして彼らを取り巻く人々を描いた衝撃作が、早くも大きな話題となっている。SNSでも「身動きが取れないほど食らいました」と既に映画を絶賛する声で溢れている。
海外では「A24」をはじめ映画会社が大きな注目を集めることはあるが、日本では特定の映画会社が注目を集めることは稀で、スターサンズは、魅力的で挑戦的な映画作りを続ける映画会社として大きな注目を集めている。スターサンズの最大の魅力は、何と言っても「現代社会を切り取る」映画作り。これまで日本映画が避けてきた政治的テーマを描いた『新聞記者』は社会性に溢れながらも、同時に娯楽性も併せ持つ作品になり、その年の日本アカデミー賞で6冠を達成した。今年公開された『ヤクザと家族 The Family』も暴対法によるヤクザの衰退という社会的なテーマを描きながら、一人の男がヤクザになり、時代の流れに翻弄される姿をドラマチックに描いている。社会性と娯楽性、この2つを絶妙にマッチさせた、映画作品を輩出していることが、スターサンズの魅力だ。
さらに、今の時代を色濃く反映させた「時代性」を持つ映画作りもスターサンズの大きな 魅力の一つ。先述の『新聞記者』も映画公開当時に話題になっていた社会問題を反映している。『新聞記者』と同じ年に公開された『i 新聞記者ドキュメント』(2019年)は、東京新聞の記者・望月衣塑子を通して日本のジャーナリズムの在り方を問う作品だ。今年公開された『パンケーキを毒見する』は、菅義偉内閣総理大臣を題材にしたドキュメンタリー映画で、現役の首相を描いた日本映画史上初の作品であり、作品の公開を東京オリンピック開催期間に持ってくるなど、大きな話題となった。今の時代だからこそ描く事ができる作品を、その時代でいち早く観客に届ける姿勢はスターサンズ独自のものと言える。
「社会をどう切り取っていくかを一つのテーマとして企画の柱にしています。現代社会という“今”をどう描くかは、作品作りの上でやっていかなければならない大切にしている点。スターサンズは、インディペンデントなので、大手の映画会社では色んな制約によりできないことを自然にやってきただけなんです。だからこそ、制約そのものを取っ払わないと、新しい映画はできないんじゃないかと思っています。今年1月に公開した『ヤクザと家族 The Family』など、みなさんが『え?』って思うような作品を生み出していきたいですね。今上映している『パンケーキを毒見する』も短期間であっという間に作った映画ですが、ぜひ見て欲しいです。また『空白』の公開後の10月8日からは有村架純さん、志尊淳さんが出演するドキュメンタリー映画『人と仕事』も公開します。この作品は、コロナ禍で撮影が中々できない時期だったので、ドキュメンタリーに切り替えて制作しました。戦前、映画はテレビの代わりでもあったが、戦時下では規制されたり国策映画が作られたりして自由が失われていたんです。そして現代でも、テレビだとスポンサーへの気遣いなどがあり、本当の意味で自由なのは映画だけ。自由がなくなれば、映画作りは止める」と断言する河村プロデューサーの言葉からも、自由な発想での映画作りへの想いが伝わってくる。
時代性を持ち、チャレンジングな映画作品を世に輩出しているスターサンズだが、作品をつくる上で重要なキャスティングにおいても、豪華俳優の共演という点も非常に魅力的だ。『新聞記者』では韓国を代表する女優であるシム・ウンギョンと松坂桃李が共演し、2人とも日本アカデミー賞で主演部門の最優秀賞を受賞。2019年に公開された『宮本から君へ』では池松壮亮と蒼井優の入魂の演技が大きな話題になった。2020年公開された『MOTHER マザー』では祖父母殺人事件を起こす少年の母親を演じた長澤まさみが、またしても日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞を受賞した。先週公開された『空白』も古田新太と松坂桃李が共演し、田畑智子、寺島しのぶと言った豪華俳優が脇を固めている。日本映画界を代表する超豪華俳優の共演は、それだけで非常に魅力的だ。
有村架純・志尊淳と、コロナ禍に生きる人々の全く新しいドキュメンタリー
そんなスターサンズの最新作が2021年10月8日(金)に公開となる映画『人と仕事』。有村架純と志尊淳という日本を代表する俳優が役ではなく、自分自身として出演し、コロナ禍に打ちひしがれたエッセンシャルワーカーを訪れ、彼らの仕事を取材・体験する新感覚ドキュメンタリーだ。元々はこの2人が出演する劇映画『保育士T』を撮影する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で制作を断念。しかし、河村光庸エグゼクティブプロデューサーの提案で、コロナ禍に打ちひしがれたエッセンシャルワーカーを題材にしたドキュメンタリー映画として生まれ変わった。
本作で有村架純と志尊淳は保育士や農家、ホストクラブ経営者、児童相談所など、様々な職種の人々を取材し、農家や保育士の仕事を体験している。人々の生活を根底から支えているエッセンシャルワーカーはこのコロナ禍においてどんなことを想っているのか。さらには2人は市井の人々の声な聞こえにも耳を傾ける。取材した一人一人に対して有村と志尊も役としてではなく、一人の人間として自分が感じたことを伝えている。そんな取材を通して、彼らもまた、自分たちが生業としている「役者」という仕事に対する想いも語り始める。取材を通して現代社会を映し出すだけでなく、それを取材した俳優たちもその現状から、自分の仕事への本音も語る非常にドラマティックで、全く新しい作品が誕生した。
「生身の人間が介在しないとできない仕事があります。映画を作っていくということも人間にしかできないことです。そんな映画制作者である私が、森ガキ監督や有村さん、志尊さんという生身の人間同士が今、出会ったことを活かしたいと思い、この映画を作りました。仕事という人間にとって大事な営みに対して、このコロナ禍で皆さんが共通して味わったことをこの映画を客観的に観ることで考えてほしい。一人でも多くの人にこの映画を観てもらって、何かを感じ取ってもらいたいと思っています」と、河村プロデューサーのメッセージからもうかがえるように、コロナ禍の今だからこそ映画作りを諦めない、今だからこそ制作すべきという想いから完成した本作。常に挑戦し続ける映画会社スターサンズの最新作『人と仕事』に期待が高まる。
『人と仕事』は、2021年10月8日(金)より全国3週間限定劇場上映。
『人と仕事』
2人の“俳優”が、役ではなく、そのままの“自分”としてスクリーンに登場。有村架純と志尊淳が、保育士や農家などといった職業に就く人々を訪ね、体験し、演技ではない、ありのままの言葉や表情で、職場が直面する数々の問題に触れ、現代社会の陰影を浮き彫りにする。そして、「リモートでは出来ない、そこにいなければできない仕事」の価値を再認識していく有村と志尊は、そんな「エッセンシャルワーカー」達の姿を、次第に自分自身の仕事-俳優業-と重ねていく。
様々な人と仕事への眼差しがもたらす2人の変化。「人にとって、仕事とは?」果たして2人が見つけた答えとは一
制作年: | 2021 |
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監督: | |
出演: |
2021年10月8日(金)より全国3週間限定劇場上映