実在の人物である小野田寛郎(おのだ ひろお)旧陸軍少尉が、太平洋戦争の終わりを迎えた後も任務解除の命令を受けられないまま、フィリピン・ルバング島にて約30年間の孤独な日々を過ごした実話を元に描かれた長編映画『ONODA』が、この度日本タイトル『ONODA 一万夜を越えて』に決定した。2021年7月7日(水)、第74回カンヌ映画祭の「ある視点」部門でオープニング作品としてワールド・プレミア上映が行われ、このたび現地での反響を受けて、急遽日本で2021年10月8日(金)からTOHOシネマズ日比谷他、全国公開が決定した!。
日本人キャストは全てオーディションによる選考、カンボジアのジャングルで2018年12月から翌年2019年3月まで約4ヶ月の過酷な撮影を強いたアルチュール・アラリ監督が登場した第74回カンヌ映画祭でのワールドプレミアとなる公式上映では、約15分ものスタンディング・オベーションが会場を包み込んだ。その翌日に行われた公式記者会見では、遠藤雄弥と津田寛治が日本から参加することができ、カンヌ映画祭としては2018年のジャン=リュック・ゴダールがスイスからのリモートで参加して以来、特例として日本から初めてのリモート参加となった。フランスでは、現地時間2021年7月21日(水)より公開を予定、日本でもこのフランスでの作品にかかる熱を届けられるよう、2021年10月8日(金)から全国公開をすることが決定した。今回、日本語のタイトルも『ONODA 一万夜を越えて』に決定、小野田寛郎がジャングルに潜伏していた約30年間の日々を想起させるタイトルとなった。アラリ監督は、小野田元少尉が島になぜあそこまで長く留まったか、様々な視点から思いを巡らせ、物語を構築したことをBANGER!!!のインタビューで明かしている。
1人の日本人が生と死のはざまで見つめた戦争と平和。実在した小野田寛郎は、1964年に開催された東京オリンピック(1964年10月10日 – 1964年10月24日)を図らずもフィリピンのジャングルで拾った新聞やトランジスタラジオでその当時の様子を見聞きしていたという実録も残っている。数日後に東京2020オリンピック開催を控えた今年、小野田をテーマにした映画の公開は何かの巡り合わせのように思える。
『ONODA 一万夜を越えて』は、2021年10月8日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開。