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第74回カンヌ映画祭 結果発表! スパイク・リーまさかの失態、史上2人目の女性監督パルム・ドール受賞、日本人初の脚本賞など話題盛りだくさん!!

第74回カンヌ映画祭 結果発表! スパイク・リーまさかの失態、史上2人目の女性監督パルム・ドール受賞、日本人初の脚本賞など話題盛りだくさん!!
© Kazuko WAKAYAMA

現地時間2021年7月17日、第74回カンヌ映画祭授賞式が開催された。スパイク・リー監督がとんでもない大失態をやらかし、会場に笑いと混乱を招いたことで話題になったが、史上2人目となる女性監督が最高賞パルム・ドールを受賞し、濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が日本映画初となる脚本賞を受賞したりと、記憶に残る授賞式となった!

スパイク・リー監督、冒頭にパルム・ドール(最高賞)を発表するハプニング!

https://www.instagram.com/p/CQ_pj9oIZ5D/

同映画祭の審査委員長を務めたスパイク・リー監督は、受賞発表するプレゼンターとしてステージに登壇。女性司会者から受賞作品の発表を促されると、式の冒頭にもかかわらず、誤って授賞式の大トリともいえる最高賞パルム・ドールを発表してしまうという大失態をやらかした!「パルム・ドールは…」と話し出すリー監督に周囲は「待って!」と止めるも「『チタン(原題)』…」と発表してしまい、リー監督はその場で呆然。温かい拍手と笑いが起きるも、会場は拍子抜けした雰囲気に包まれた。

「言い訳はしない。僕はやらかしたんだよ。僕はスポーツの大ファンなんだ。ゲームの最後にファウルラインに立ってフリースローを失敗したり、キックを失敗してしまうような男なんだ。」とリー監督はこの大事件を振り返った。

史上2人目となる女性監督のパルム・ドール受賞!

https://www.instagram.com/p/CRcQ38SISoq/

リー監督によるまさかのパルム・ドールのフライング発表に会場はざわめいてしまったが、もっと会場を驚かせたのは、フランス人女性監督のジュリア・デュクルノーが見事受賞したこと。パルム・ドールを女性監督が受賞するのは、1993年に『ピアノ・レッスン』のジェーン・カンピオン監督に続き、2人目となる。

「今回の受賞は、私が女性であったという性別の理由だけでは片付けられないでしょう。これからも女性受賞者は、3人目、4人目、5人目と出てくることでしょう。」とデュクルノー監督は語った。

日本映画初!濱口竜介監督が脚本賞を受賞!

https://www.instagram.com/p/CRcP8UIItc4/

村上春樹原作、濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』(2021年8月20日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー)が、脚本賞に見事輝いた。このたび受賞した脚本賞は、コンペティション部門に出品された全24作のうち最も優れた脚本に贈られる賞で、日本人・日本映画での受賞はカンヌ映画祭史上初となる。濱口竜介監督と、共同脚本をつとめた大江崇允の二人へ贈られた。

c Kazuko WAKAYAMA

「最初にお礼を申し上げなくてはならないのは、この物語を我々に与えてくれた原作者の村上春樹さん。そして、役者のみなさんが、この物語を自分の身体で素晴らしく表現してくれた。共同脚本家の大江崇允さんという脚本家がいらっしゃいます。大江さんと僕の関係は奇妙なもので、大江さんは僕にひたすら書かせるタイプの脚本家です。大江さんはいつも読みながら“本当に素晴らしい。このままやりなさい”と言ってくれました。この作品は、3時間近くあり壮大な物語。単純にわかりやすさだけを考えたらそうはいかなかった。彼がずっと励まし続けてくれたから、この物語を最後まで映画として書ききることができたと思っています。脚本賞をいただいたが、脚本は映画には映っていない。それを素晴らしいと思っていただけたのは、表現する役者たちが本当に素晴らしかったと。役者たちこそが物語だという風に思っています。」と、濱口監督は喜びのコメントを発表。

主演を演じた西島秀俊「濱口監督、大江崇允さん、カンヌ映画祭脚本賞受賞、心からお祝い申し上げます。監督が村上春樹さんの原作を問いとし、過去と真摯に向き合う事で人は絶望から再生することが出来るという答えを示したこの作品が、世界の人々の共感を呼んだのは本当に素晴らしい事だと思います。監督の、人への深い洞察と愛情の力です。これからも沢山の傑作を作って下さい。楽しみにしています。おめでとうございます!」と祝福コメントを送った。

『ドライブ・マイ・カー』は、2021年8月20日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国ロードショー。

第74回カンヌ映画祭 受賞作品

https://www.instagram.com/p/CRcJm5zAV6M/

パルム・ドール(最高賞)

ジュリア・デュクルノー監督『チタン(原題)』

監督賞

レオス・カラックス監督『アネット(原題)』

審査員賞

ナダヴ・ラピド監督『アヘッズ・ニー(英題)』
アピチャッポン・ウィーラセタクン監督『メモリア(原題)』

審査員特別賞

アスガー・ファルハディ監督『ア・ヒーロー(原題)』
ユホ・クオスマネン監督『コンパートメント No.6(英題)』

男優賞

ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ『ナイトラム(原題)』

女優賞

レナーテ・レインスヴェ『ザ・ワースト・パーソン・イン・ザ・ワールド(英題)』

脚本賞

濱口龍介、大江崇允『ドライブ・マイ・カー』

カメラ・ドール(新人監督賞)

アントネタ・アラマト・クシヤノビチ監督『ムリナ(原題)』

短編映画パルム・ドール

タン・イー監督『オール・クロウズ・イン・ザ・ワールド(英題)』

審査員特別賞(短編映画)

ジャスミン・テヌッチ監督『オーガスト・スカイ(英題)』

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