第93回アカデミー賞®️で、脚色賞(クリストファー・ハンプトン、フロリアン・ゼレール)、主演男優賞(アンソニー・ホプキンスが“史上最高齢”受賞)の2部門を受賞した映画『ファーザー』が2021年5月14日(金)より公開となる。半世紀を超えるアンソニー・ホプキンスの役者集大成とも言える映画『ファーザー』の公開を記念して、大俳優のこれまでの役者人生を振り返る“七変化”作品をご紹介!
アカデミー賞ノミネートの感動の名作や映画史に名を残すあの殺人鬼、ロン毛のかつらで挑んだ歴史スペクタクル、意外な組み合わせのSFアクション大作まで、幅広い演技が堪能できる作品をピックアップ!ぜひゴールデンウィークは、家でじっくり「アンソニー祭り」を堪能してみてはどうだろう。
『エレファントマン』(1980年)
第53回アカデミー賞で作品賞含む8部門にノミネート。19世紀末のロンドン。怪物のような特異な容姿から“エレファント・マン”と呼ばれて見世物小屋に入れられていた青年メリック。アンソニーは、彼が豊かな感情や高い知識を持っていることに気づき、自分の病院に引き取ることにした外科医のトリーヴズ役で、メリックと対峙することで己の醜い部分にも向き合うことになっていく複雑な心理を見事に表現した。若きデイヴィッド・リンチ監督の名を一躍世界中にとどろかせた記念碑的映画。
『エレファントマン』は、オンデマンドにて現在配信中。
『羊たちの沈黙』(1991)
第 64回アカデミー賞でアンソニー・ホプキンス主演男優賞、作品賞含む主要 5 部門受賞。FBI アカデミ ーの若き女性訓練生が、精神病院に監禁中の天才精神科医の遠隔捜査を受け、連続誘拐殺人事件の解明に挑むサイコ・スリラー。映画史に刻まれるサイコスリラーの金字塔と名高い本作でアンソニーは、天才的な精神科医でありながら、自らの患者を次々と死に追いやったレクター博士を演じ、全世界で大ヒットを記録。本作公開から 30 年を迎えた今でも多くのファンに愛されている。アンソニーと言えばレクター博士。この作品は見逃せない。
『羊たちの沈黙』は、オンデマンドにて現在配信中。
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『日の名残り』(1993年)
カズオ・イシグロが1989年に発表した同名のベストセラーを映画化。イギリスの上流家庭を舞台に、仕事に忠実な執事と彼が愛した女性との繊細な関係を、華麗かつ重厚な演出で描写。第66回アカデミー賞で作品賞、主演男優賞を含む8部門にノミネートされた感動作。アンソニー・ホプキンスが演じる執事の感情を表に出さず裏方に徹する姿、悲哀、切ない恋など抑制の効いた演技が光る、彼の代表作と言える作品。
『ハンニバル』(2001年)
ハンニバル・レクターといえば、泣く子も黙る天才精神科医にして人肉を食すシリアルキラー。『羊たちの沈黙』(1991)で同キャラクターをカリスマ性たっぷりに演じたホプキンスは、アカデミー賞主演男優賞を受賞!続編『ハンニバル』(2001年)と前日譚『レッド・ドラゴン』(2002年)でも映画史に名を残す悪役レクター博士を演じた。『羊たちの沈黙』から30年、アンソニーの役者人生後半期の代表作になると言われている『ファーザー』での迫真の怪演?も見ものである。
『マイティ・ソー』シリーズ(2011〜2017年)
「スパイダーマン」「X-MEN」のスタン・リーによるマーベル・コミックを主演クリス・ヘムズワースで実写映画化。2011年から主人公ソーの父親であるオーディンを、シリーズ3作にわたって演じている。オファー当時、演技への気力を失い引退を考えていたと衝撃の告白をしたアンソニー。しかし、ケネス・ブラナー監督との仕事ということで喜んでオファーを引き受け、13.5kgもある槍の小道具を毎日持ち歩き、完璧に演じきった逸話を持つ。
『マイティ・ソー』シリーズは、オンデマンドにて現在配信中。
『ノア 約束の舟』(2014年)
『ブラック・スワン』のダーレン・アロノフスキーが監督、ラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリー、エマ・ワトソン、アンソニーが集結したスペクタクル歴史ドラマ。人類史上最大の謎《ノアの箱舟》の物語を、大胆な新解釈と驚愕のスケールで映像化。アンソニーはノアの祖父メトシェラ役を貫禄たっぷりに演じた。
『トランスフォーマー/最後の騎士王』(2017年)
ド派手なアクションとアンソニーの組み合わせが意外な大作にも出演!マイケル・ベイ監督による大ヒットSFアクション大作『トランスフォーマー』シリーズ最新作。トランスフォーマーが地球に来る謎を知っているイギリス貴族エドモンド・バートン役を演じた。カーチェイスのシーンでは、負けん気を示すように荒々しい発言をするなど、茶目っ気あるキャラクターだ。
『2人のローマ教皇』(2019年)
『シティ・オブ・ゴッド』のフェルナンド・メイレレス監督による実話に基づく物語。カトリック教会における歴史的転換点をまたぐ2人のローマ教皇、ベネディクト16世(アンソニー・ホプキンス)とフランシスコ(ジョナサン・プライス)。保守派と進歩派の壁をこえた友情を演じ、第92回アカデミー賞でアンソニー の助演男優賞を含む3部門にノミネートされた。実力派の名優による対話劇が素晴らしい傑作。
『2人のローマ教皇』は、オンデマンドにて現在配信中。
『ファーザー』2021年5月14日(金)公開
自身と同名で生年月日も同じ主人公の父親を、現在83歳の名優アンソニー・ホプキンスが演じ、『女王陛下のお気に入り』のオスカー女優オリヴィア・コールマンが、愛する父の変化に戸惑い悩む娘を繊細に演じる。監督は原作舞台を手掛けたフロリアン・ゼレール。長編初監督にして、現実と幻想の境界が曖昧になっていく父の視点で描かれる、これまでになく画期的な表現を実現させた。映画史に刻まれる役者人生の集大成との声が高いホプキンスの演技を見逃すな。
アカデミー賞2部門受賞『ファーザー』は2021年5月14日(金)より全国公開。
『ファーザー』
ロンドンで独り暮らしを送る81歳のアンソニーは記憶が薄れ始めていたが、娘のアンが手配する介護人を拒否していた。そんな中、アンから新しい恋人とパリで暮らすと告げられショックを受ける。だが、それが事実なら、アンソニーの自宅に突然現れ、アンと結婚して10年以上になると語る、この見知らぬ男は誰だ? なぜ彼はここが自分とアンの家だと主張するのか? ひょっとして財産を奪う気か? そして、アンソニーのもう一人の娘、最愛のルーシーはどこに消えたのか? 現実と幻想の境界が崩れていく中、最後にアンソニーがたどり着いた〈真実〉とは――?
制作年: | 2020 |
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監督: | |
脚本: | |
出演: |
2021年5月14日(金)より全国公開