2020年に公開から30周年を迎える名作映画『ゴッドファーザー Part III』(1990年)。このたび、フランシス・フォード・コッポラ監督が再編集した映画『ゴッドファーザー(最終章):マイケル・コルレオーネの最期』が全米公開される。公開前に主演のアル・パチーノが同作を鑑賞し、インタビューで感想を語った。コッポラ監督も同作の秘話を語っている。
パチーノ、新しいオープニングシーンのおかげで“ピントが合った”と語る!
同作は、コッポラ監督自身がオープニングシーンとラストシーンに手を加え、363箇所のシーンの配置変更をした再編集版。主人公のマイケル・コルレオーネを演じたパチーノは、新しいオープニングシーンのおかげで、“ピントが合った”と明かしている。
「フランシスはオープニングシーンを変更し、マイケルがバチカンの大司教とビジネスを始める場面になった。そのシーンは35分から40分くらいで、以前のままでは、観賞する人々が、ごちゃごちゃとした中で迷子になっていたと思う。
新しいバージョンでは、なぜかピントが合うように感じたよ。映画は魔法のようなもので、理解している人たちがクローズアップをカットしたり、シーンをトリミングしたりすることで、大きな違いを生み出すことができる。いつも驚かされるよ。」と語った。
パチーノ、コッポラ監督による再編集版は娘ソフィアの名誉挽回のためなのではと明かす!
『ゴッドファーザー Part III』には、マイケルの長女メアリーとして、コッポラ監督の娘ソフィア・コッポラが出演している。現在は映画監督として活躍している彼女は、女優としてのキャリアがないまま同作に助演女優として出演したことで、辛辣な批判にあってしまう。最終的に、ゴールデンラズベリー最低助演女優賞、最低新人賞をダブル受賞してしまう結果となった。
「フランシスに再製作するチャンスがあってよかったし、ソフィアのパートをよりよくしてくれることを願っていた。私はあの子が大好きだし、当時は大したものだった。考えてもみてほしい。10代の子が自分の父親の映画に出演して酷評されたんだ。当時はインターネットがなかったけれど。
本作で人々が彼女にまともに接して、もっと理解してくれることを願うよ。娘が傷ついてしまったことが、この度の再編集の、フランシスの本当の動機だったと思うよ。ずっとどうにかしたいと考えていて、やっと方法が見つかったんだ。」とパチーノは語った。
コッポラ監督も、娘ソフィアを出演させたことを後悔まじりに語っている。
「人々は“約束を果たしてもらえなかった”と感じた時に、作品を攻撃するのだ。そして彼らは、18歳の少女を標的に選んだ。娘ソフィアはマイケル・コルレオーネのために銃弾を受け、私のために銃弾を受けたんだ。私のせいでソフィアが苦しんでいたに違いないと思うと、心が痛んだよ。子供を苦しめてまで責任を負わせたい親がいるだろうか?これ以上の最悪なことは考えられない。」
コッポラ監督、タイトルを変更したことでより物語に忠実になったと明かす!
コッポラ監督は再編集版でタイトルを『ゴッドファーザー(最終章):マイケル・コルレオーネの最期』に変更できたことで、物語の内容をより忠実に反映するようになったと感じているようだ。
「私はずっと、『ゴッドファーザー(最終章):マイケル・コルレオーネの最期』と呼ばれるべきだと思っていた。本作で、マイケルの本当の死について描かれていたからだ。死とは何か? まず、自分がいないこと。生きているときは死ぬ心配をするが、死が訪れたときには、もう存在しないから死について何も心配することはない。死というのは、最愛の人が死んだ時に一番苦しむものだ。
私はマイケルに苦しんで欲しかった。なぜなら、多くの人の命を奪う職業に就いているなら、彼が苦しむ上では、最愛の人の死に勝るものはないだろう。人は愛国心を偽って命を奪うときがあるかもしれないが、金のためだけに命を奪うのは許せない。マイケルは、人が苦しむことができる極限の苦しみを味わったんだ。」とコッポラ監督は語った。
コルレオーネの本当の“最期”が観ることができる再編集版『ゴッドファーザー(最終章):マイケル・コルレオーネの最期』は、日本では2020年12月23日(水)よりBlu-ray発売予定だ。お見逃しなく!
テレビ初放送の『ゴッドファーザー<最終章>:マイケル・コルレオーネの最期』を含む、 「ゴッドファーザー」シリーズ3作をCS映画専門チャンネルムービープラスで2022年2月ほか放送
『ゴッドファーザー』50周年記念上映
シリーズ3部作が、2022年2月25日(金)、26日(土)、27日(日)の3日間限定で、それぞれ1日1作品ずつ、TOHO シネマズ日比谷 , TOHO シネマズ梅田で公開
2022年2月25日(金)『ゴッドファーザー』
2022年2月26日(土)『ゴッドファーザー PARTII』
2022年2月27日(日)『ゴッドファーザー<最終章>:マイケル・コルレオーネの最期』