『スター・ウォーズ』旧3部作(1977年〜1983年)で初代ダース・ベイダーを演じた俳優デヴィッド・プラウズが亡くなった。85歳だった。共演したマーク・ハミルや監督のジョージ・ルーカスが追悼のコメントを発表している。
So sad to hear David Prowse has passed. He was a kind man & much more than Darth Vader. Actor-Husband-Father-Member of the Order of the British Empire-3 time British Weightlifting Champion & Safety Icon the Green Cross Code Man. He loved his fans as much as they loved him. #RIP pic.twitter.com/VbDrGu6iBz
— Mark Hamill (@MarkHamill) November 29, 2020
ルーク・スカイウォーカーを演じたハミルは、自身のTwitterで追悼のコメントを発表し、プラウズの功績を讃えた。
「デヴィッド・プラウズが亡くなったと聞いて、とても悲しいです。彼は優しい人で、ダース・ベイダー以上の存在でした。俳優、夫、父親であるとともに、3度も英国ウエイトリフティングのチャンピオンになり、大英帝国勲章を授与されました。そして交通安全を訴えるキャンペーン“グリーン・クロス・コード”のスーパーヒーローでもあリました。彼はファンが彼を愛しているのと同じくらいファンを愛していました。どうか安らかに」とハミルは追悼している。
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またジョージ・ルーカスは、プラウズの訃報を受け、公式サイトにて声明を発表した。
「デヴィッドはダース・ベイダーに、キャラクターに不可欠な身体をもたらしました。彼は、内に秘めたベイダーの存在感の強さに匹敵する、堂々とした身長と動きのパフォーマンスで、ベイダーという存在に命を吹き込んでくれました。デヴィッドは何事にも積極的で、記憶に残る悲劇的な人物を演じることに貢献してくれました。彼が安らかに眠れますように」
プラウズ、悪役は記憶に残るからベイダー役を選んだ!
プラウズは、ボディービルダーから転身した俳優として知られ、ルーカスによる『スター・ウォーズ』への出演交渉の際には、チューバッカ役かダース・ベイダー役どちらかを選べたことを過去のインタビューで語った。プラウズはベイダーを選んだ理由を明かしている。
「エージェントが電話をかけてきて、ジョージ・ルーカスという紳士があなたにぜひ会いたがっていると言ってきたんだ。それで私はルーカスに会いに行った。彼は私を部屋に連れて行き、コンセプト画を見せてくれた。そして彼は言ったんだ。「僕が手がけるこの映画で、2つの役のうちの1つをあなたに引き受けてもらいたい。1つ目はチューバッカというキャラクターです」とね。私は「チューバッカって一体何だよ、ゴリラの皮を被って3ヶ月撮影?ノーサンキューだね!」と答えたんだ。ルーカスは「もう一人はダース・ベイダーと呼ばれている。彼はこの映画の大悪役なんだ」と続けた。私は「もういいよ、ジョージ、俺が悪役をやるから」と答えたんだ。彼は「理由を教えてくれ」と言ってきた。「今まで見た善人と悪人が出てくる映画を思い出してみろ。必ず悪人の方を思い出すだろう!」と私は答えたよ。」
プラウズはダース・ベイダーという印象的な役柄のほかにも、スタンリー・キューブリック監督作品『時計じかけのオレンジ』(1971年)に出演。また、クリストファー・リーヴがスーパーマン役を演じる際には、トレーニングにも協力するなど、ハリウッドへの貢献は計り知れない。デヴィッド・プラウズ氏のご冥福を、心よりお祈りしたい。