2019年上半期に公開されたドイツ映画てとしてNo.1ヒットを記録した話題作 『コリーニ事件』が、2020年6月12日(金)より新宿武蔵野館ほかにて全国公開されることが決定した。
原作は、ドイツ屈指の刑事事件弁護士として活躍し、同時にベストセラー作家でもあるフェルディナント・フォン・シーラッハの手による同名小説。自身で取り扱った事件を基に社会派ミステリーを多く手がける彼の初長編である同小説は、ドイツ国内で50万部を超えるベストセラーとなった。作中で語られた驚愕すべき“法律の落とし穴”がきっかけとなり、出版後の2012年には実際にドイツ連邦法務省が省内に調査委員会を立ち上げたほど。本作品は文字通り“国家を揺るがした”小説を映像化した、圧巻のリーガル・サスペンス映画となっている。
監督は『クラバート 闇の魔法学校』(2008年)でドイツ国内の映画賞を数多く受賞したマルコ・クロイツパイントナー。主人公の新米弁護士ライネンを演じるのは、『ピエロがお前を嘲笑う』(2014年)『はじめてのおもてなし』(2016年)に出演し、今ドイツで飛ぶ鳥を落とす勢いの人気俳優エリアス・ムバレク。タイトルにもなっている事件の犯人・コリーニ役には、『続・荒野の用心棒』(1966年)のジャンゴ役で知られる俳優フランコ・ネロ。
監督のクロイツパイントナーは「原作の“正義”というテーマに惹かれた。具体的に言えば我々がふだん正義と呼んでいるものが、本当に正しいのかについてだ。またこの作品は“良心”についての物語で、正義のために立ち上がることが人間のもっとも根源的な義務であることを示している――そして、いつだってその闘いには意味があるということも。」と語る。
日本国内でも「このミステリーがすごい!2014年版:海外編」「ミステリが読みたい!2014年版:海外編」「週刊文春 2013年ミステリーベスト10:海外編」などにランクインしたベストセラー小説の実写化とあり、期待が高まる本作。欧州を代表する実力派俳優陣の圧巻の演技と、ドイツ国民が驚いた予想もできない衝撃のラストは一見の価値あり。乞うご期待!
WWⅡの終戦から75年目に公開される注目の2作
注目のドイツ映画は『コリーニ事件』だけではない。2020 年は第二次世界大戦の終戦から75 年に当たる年。日本で公開予定のドイツ映画も見逃せないラインナップが勢揃いだ。
ユーモアとウィットを盛り込んで描いたアドルフ・ヒトラーの名前から発展する知的エンタテインメント『お名前はアドルフ?』(2020年6月6日公開)。
“アドルフ”はドイツでは伝統的に使われていた名前だったが、戦後は法律で禁止されているわけではないのに、なぜか避けられてきた。ナチズムに対するドイツ戦後の“本音と建て前”が垣間見られる作品だ。
そしてもう1作は、東西冷戦下で実際にあった驚くべき逃亡劇を基にしたサスペンス・スリラー『バルーン 奇蹟の脱出飛行』 (2020年7 月10 日公開)。
東ドイツから西ドイツへ手作りの熱気球で逃亡を図る平凡な家族と、その家族を追い詰める恐怖の秘密警察<シュタージ>との決死の攻防がスリリングに描かれる。
かつての歴史を体験した人の数が少なくなっていくなか、“過去を知る必要がある”と自国が抱える闇にあえて光を当て現代へ受け継いでいく勇気溢れる映画が増え、多くの人々の心を惹きつけている。75年の時が経過してもなお責任を果たそうとする使命感に燃えるドイツの勇敢な姿を、ぜひスクリーンで確かめてみてはいかがだろうか。
『コリーニ事件』
新米弁護士のカスパー・ライネンは、ある殺人事件の国選弁護人に任命される。30年以上もの間、ドイツで模範的な市民として働いてきた 67歳のイタリア人コリーニが経済界の大物実業家をベルリンのホテルで殺したのだ。ライネンにとってこれが被告側弁護士として初めて手掛ける大きな事件。しかし被害者は、少年時代からの恩人だった。殺害について一切口を閉ざすコリーニだが、ライネンは事件を深く調べるうちに自分の過去、ドイツ史上最大の司法スキャンダル、そして想像を超える衝撃の真実に向き合うこととなる――。
制作年: | 2019 |
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監督: | |
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