世界中に熱狂と歓喜を生んだ『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015年)で人気を博したシャーリーズ・セロン演じるフュリオサの過去にせまるスピンオフ映画に、セロンが続投しないことがわかった。
先日『マッドマックス 怒りのデス・ロード』について、キャストが確執や撮影秘話を赤裸々に語った記事が公開されたのは記憶に新しいが、ジョージ・ミラー監督は現在、若い頃のフュリオサを描く新作にあたり、その役を引き継ぐ20代の女優を探しているという。ミラーは「セロンが再び役を演じることができるようにするために、CGで年齢を下げる技術を使うことも検討したが、やらないことにした。」と明らかにした。
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『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の脚本を準備するにあたり、ミラーと共同で脚本を手がけたニック・ラソウリスがキャラクターのバックストーリー部分を担当したが、作中でフュリオサの過去についてはあまり明かされることはなかった。
映画の中でフュリオサは、リーダーであるイモータン・ジョーのもとで隊長をつとめていたが、ジョーに囚われた美女軍団“ワイブス(妻たち)”を解放するために彼に対抗した後、トム・ハーディ演じるマックスと同盟を結ぶ。ミラーは新しいスピンオフ映画で、フュリオサの過去にせまるとともに、マッドマックスの世界観を広げたいと考えているようだ。
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『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は第88回アカデミー賞最優秀衣装デザイン賞でも受賞し、作品の舞台裏の要素も高く評価された。特にフュリオサの衣装については、独特の力強さが表現されており、特別な称賛を受けた。衣装デザインを担当したジェニー・ビーヴァンと実際に演じたセロンが、フュリオサの髪型や衣装についても秘話を明かしている。
セロンは「最初フュリオサは、長い髪の毛にアフリカの泥のアートが顔に施された、とてもこの世のものとは思えないキャラクターで、当時はジェニーではない前任の衣装デザイナーが手がけた、よりバーバレラ(※)みたいな衣装だったの。そのことがすごく気がかりだった。」と語る。
※フランス出身のコミック作家、ジャン=クロード・フォレが手掛けたエロティックSFコミックの主人公
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当初のコンセプトを引き継いだビーヴァンは「私はファッション自体には興味がないし、”見た目”は特に気にしていません。そうではなくて、”衣服は彼らを物語るものでなければならない”と思っています。シャーリーズと会ったときに一番に話した話題は、フュリオサは長距離を移動するので、もっと実用的な服が必要だということ、そして、髪型をどうするか、ということでした。」と、大胆なプラン変更を行ったことを明かしている。
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セロンは「監督は私の話を最後まで聞いてくれた。本当に驚いたわ。私は彼に電話して言ったの。”彼女がこの髪の毛で、どうやってメカニックとして生きているのかがわからない。頭を剃る必要があると思うし、彼女はもっと中性的で地に足の着いたキャラクターになる必要があるわ”ってね。彼に信用されてたからこそ、そのときは感情的になってしまった。感情的になって、彼を失望させちゃったかとも思った。」と率直に伝えたという。
そうした秘話を経て、セロンは役作りのために長いブロンドヘアーから坊主頭へと変貌を遂げ、世間を驚かせた。それは彼女自身が幼少期からマッドマックスの大ファンで、思い入れがあったからできたことなのかもしれない。
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ミラーは現在製作中の次回作、イドリス・エルバとティルダ・スウィントン主演の『スリー・サウザンド・オブ・ロンギング(原題)』の製作を終えた後に、フュリオサのスピンオフ映画の撮影を計画しているという。
キャストをはじめ、今後どうなっていくのかは想像もつかない。実際の作品はもちろん、今後明かされるかもしれない裏話も含めて楽しみに続報を待ちたい。