「愛らしく愚かな人々がいっぱい登場します(ニッコリ)」日本公開目前『ミッキー17』5つのポイント解説!【ポン・ジュノ最新作】

③「もう1人の俺」はどんな奴!? 2人のミッキーを若き名優が大胆に演じ分ける
ブラック企業のどん底で搾取され続け、ついに17号となったミッキー。そんな彼の前に、ある日、手違いで自分のコピーである18号が現れる。一見すると双子のようだが中身はまったくタイプの異なる2人のミッキーを見事に演じ分けたロバート・パティンソンの演技について、監督は「特にミッキー18に関しては、私が想定していた枠をはるかに超え、新たな次元にまで引き上げてくれました。撮影中も、彼は即興で面白いセリフやシーンを生み出し、作品に新しいエネルギーを吹き込んでくれました。本当に感謝しています」とコメントしている。

『ミッキー17』© 2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
④ 労働者の“命”まで使い捨て! 現代社会のリアルな搾取構造を投影
『ミッキー17』は人々が別の星に行く映画ですが、たくさんの愚かな人々を描いた映画で、愚かな敗者たちの物語です。この映画には愛らしく愚かな人々がいっぱい登場します。
微笑みつつそう語るポン・ジュノ監督は、“使い捨てワーカー”として搾取され続けるミッキーと信頼できるパートナーのナーシャ(ナオミ・アッキー)、自分の得しか考えないブラック企業のトップ、マーシャル(マーク・ラファロ)と妻のイルファ(トニ・コレット)にイエスマンな取り巻き勢など、現在進行形の社会の状況を投影した人物を登場させる。
人生の《どん底》にいるミッキーの物語についてポン・ジュノは、「これは若者、労働者階級の人々の話です。無力な人が予期せずヒーローになる。普通の人が意図せず突然ヒーローになる話だと言えます。そして、彼がヒーローになる方法もユニークです。私は“現代の観客が見たいのはこういう話だ”と思いました」と語るとおり、今を生きるすべての観客に大いに共感される作品を完成させた。

『ミッキー17』© 2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
⑤ 宮崎駿リスペクトが生んだ謎のモンスター「クリーパー」とは!?
もうひとつ『ミッキー17』で決して観逃せない存在が、謎のモンスター“クリーパー”だ。ポン・ジュノは、宮崎駿監督の表現には常に影響を受け続けていると語る。
宮崎駿監督はいつも生態系や自然、環境に対するテーマを描かれていますが、私も大きな関心を持っているテーマですので、動物やクリーチャーを表現する際には、宮崎監督の作品は尽きないインスピレーションの源になっていると思います。
そんなリスペクトの思いから、『風の谷のナウシカ』(1984年)に登場する“王蟲(オ-ム)”を彷彿させるクリーパーを誕生させたポン・ジュノ監督。このクリーパーたちにより、かつてない映像体験となった壮絶なクライマックスシーンには要注目だ。
全世界を驚愕と熱狂の渦に叩き込んだポン・ジュノ監督が史上最大のスケールで贈る逆襲エンターテイメント『ミッキー17』は、3月28日(金)より日本公開。
『ミッキー17』
人生失敗だらけの“ミッキー”(ロバート・パティンソン)が手に入れたのは、何度でも生まれ変われる夢の仕事、のはずが……!? それは身勝手な権力者たちの過酷すぎる業務命令で次々と死んでは生き返る任務、まさに究極の“死にゲー”だった! しかしブラック企業のどん底で搾取されるミッキーの前にある日、手違いで自分のコピーが同時に現れ、事態は一変。使い捨てワーカー代表、ミッキーの反撃が始まる!
監督・脚本:ポン・ジュノ 『パラサイト 半地下の家族』
出演:ロバート・パティンソン『TENET テネット』『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』、ナオミ・アッキー『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』、スティーブン・ユァン『NOPE/ノープ』、
トニ・コレット『ヘレディタリー/継承』『シックス・センス』(アカデミー賞Ⓡ助演女優賞ノミネート)、マーク・ラファロ『アベンジャーズ/エンドゲーム』
制作年: | 2025 |
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2025年3月28日(金)より全国公開