『BAUS 映画から船出した映画館』の本予告映像や本ビジュアル、場面写真が解禁となった。
映画館に詰まった希望や想い
映画上映だけに留まらず、演劇、音楽、落語……。「おもしろいことはなんでもやる」という無謀なコンセプトを掲げ、多くの観客と作り手に愛されながら30年の歴史を築いた吉祥寺バウスシアター。
2014年の閉館から遡ること約90年、1925年に吉祥寺に初めての映画館「井の頭会館」がつくられ、1951年にはバウスシアターの前身となる「ムサシノ映画劇場」が誕生していた。『BAUS 映画から船出した映画館』では、時流に翻弄されながらも劇場を守り、娯楽を届け続けた人々の長い道のりを描く。
今回解禁となったのは、主人公・サネオ(染谷将太)、兄・ハジメ(峯田和伸)、サネオの妻・ハマ(夏帆)が吉祥寺初の映画館「井の頭会館」を背景に静かに佇む本ビジュアル。「未来も過去も、居場所はいつもここにある」というコピーが長い歴史を感じさせ、文化の交差点を生み出し、守り続けてきた家族の姿が印象的なビジュアルとなっている。
本予告映像は、故郷・青森から上京したサネオとハジメが辿り着いた井の頭会館で、ハジメが慣れない活弁を披露する様子から始まる。
映画の上映形態が活弁からトーキーへと移り変わるなかで、映画館で「イントナルモーリ」なる奇妙な楽器の演奏会を開催したり、果物屋を行う兄弟。その姿勢には「おもしろいことはなんでもやる」という吉祥寺バウスシアターの起源が詰まっている。
そしてサネオが突然社長に任命される頃、吉祥寺にも迫る戦火。ハジメは「お国のために働いてきますよ」と去っていき……。
戦前から戦後にかけて、何があっても常に「あした」を追い求め、娯楽を届け続けた家族。後半では、ムサシノ映画劇場開館のスピーチをするサネオの清々しい表情をはじめ、人々の「映画館」への希望や想いが詰まった内容になっている。
兄弟が夢を見続けた「あした」、それが指し示す希望に満ちた未来が本作でどのように描かれるのか、そして大友良英が手がけた音楽の数々に期待が高まる。