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「いのちを吹き込む」声優というしごと
“専業声優”は1920年代から存在すると言われているが、“俳優の副業”というイメージを覆してきた先人たちの努力、〈いのちを吹き込む〉と称されるスキルがアニメや洋画吹替を発展させてきた。
最近では専業声優を起用しないアニメ作品も増えてきたが、逆に海外で日本アニメ人気が高まるにつれて「字幕で観るべき」というコアなファンも増え、日本の声優の実力が改めて世界的に評価されつつあるのも事実だ。
80年代以前は非専業の俳優が声優を務めることも多く、その代表格とも言えるのが池田昌子さん。キャリア初期は舞台やTVドラマを主戦場としていたが、やがて洋画の吹替を務めるようになると、次第にアニメ声優としての活動が増え始める。
初期作品の中では「エースをねらえ!」(1973年)のお蝶夫人こと竜崎麗香などでも有名だが、「銀河鉄道999」(1978年~)のメーテルの声は原作者の松本零士氏が、かつて池田氏が吹き替えた洋画の登場人物をイメージしていたらしく、偶然による奇跡的なキャスティングでもあった。
そんな池田氏の洋画吹替仕事といえば、やはりオードリー・ヘプバーン。オードリー=池田ボイスと言われるほどのハマり役で、メーテルと並ぶ彼女の代名詞となっている。ということで、2025年も早々にTV放送されるオードリー主演作を紹介。映画ファンでなくとも“これだけは観ておきたい”代表的な3作を池田ボイスで、お正月にイッキ観してみては?
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