史上最高に切ないゾンビ映画か?ゾワッとエモい音楽も不安を煽る『アンデッド/愛しき者の不在』本編映像

史上最高に切ないゾンビ映画か?ゾワッとエモい音楽も不安を煽る『アンデッド/愛しき者の不在』本編映像
『アンデッド/愛しき者の不在』© 2024 Einar Film, Film i Väst, Zentropa Sweden, Filmiki Athens, E.R.T. S.A.
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ひとクセある作品の音楽を手掛けてきた気鋭アーティスト

ピーター・レイバーンは、これまで70以上もの賞を受賞しているアーティスト集団<サウンドツリー・ミュージック>の創設者兼クリエイティブディレクターであり、また作曲家、音楽プロデューサー、ソングライターとしても活動。映画ファン、海外ドラマファンならば、一度は彼の音楽を耳にしたことがあるだろう。

活動開始の翌年には早くも、ラース・フォン・トリアー監督の忘れがたい名作『奇跡の海』(1996年)のサウンドトラックに携わったレイバーン。その後もニコール・キッドマン主演の『記憶の棘』(2004年)やスカーレット・ヨハンソン主演の『アンダー・ザ・スキン/種の捕食』 (2013年)、アマンダ・セイフライド主演のNetflix映画『闇はささやく』(2021年)など、様々な話題作を担当してきた。また、愛に苦しむ若い夫婦を描いた『ブルーバレンタイン』(2010年)にも楽曲を提供するなど、幅広いジャンルの作品で活躍しているミュージシャンだ。

このたび公開されたのは、レイバーンによる音楽の“不穏な”片鱗がうかがえる本編映像。エモみのある旋律からの生理的嫌悪を刺激する謎サウンドは、低体温な映像と相まって観る者の不安を煽る。

「悲しみから生まれた楽曲」がメランコリック・ホラーの切なさを増幅

本作の監督はノルウェー出身の新鋭テア・ヴィスタンダル。彼女はレイバーンとの出会いを振り返りつつ、彼の手掛ける音楽を絶賛する。

脚本を書いている時にマックス・リヒター(※現代クラシックを牽引する音楽家)をよく聴いていたので、彼と同じようなフィーリング、繊細さを持つ音楽をイメージしていることを知人に伝えたら、ピーターを紹介されました。撮影に入る前に、ピーターはデモを何曲か作ってくれて、私と撮影監督はそれを聞きながら撮影することで、正しいムードとリズムを見つけることができたんです。彼はどういう作品なのかをじっくり理解し、エモーショナルで不穏な完璧なスコアを作曲してくれた。素晴らしいコラボレーションとなりました。

『アンデッド/愛しき者の不在』© 2024 Einar Film, Film i Väst, Zentropa Sweden, Filmiki Athens, E.R.T. S.A.

そしてレイバーン自身も楽曲制作を振り返り、「『アンデッド/愛しき者の不在』は愛、死、そして生についての深い問いを投げかけている。非常に個人的な体験なのですが、この映画の曲は私自身の悲しみから生まれたものです」と、非常に気になるコメントをしている。その”悲しみ”とは、一体どんなものだったのか? 彼が手掛けた劇伴はSpotifyやApple Musicで配信中なので、鑑賞前・後を問わずじっくりと耳を傾けてみてはいかがだろう。

『アンデッド/愛しき者の不在』は2025年1月17日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿ピカデリーほか全国順次公開

▼Apple Music

▼Spotify

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