「ドンファン事件」呼称の元ネタは“1500人の女性をトリコにした色男”? 映画版のストーリーを解説

「ドンファン事件」呼称の元ネタは“1500人の女性をトリコにした色男”? 映画版のストーリーを解説
『ドンファン』(1994年)© New Line Productions, Inc.
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とにかくエロかっこいいジョニデと貫禄MAXの大物俳優

ドンファンは飛び降り自殺を試みるが警察沙汰になり、虚言癖持ちとして精神科医ジャック(マーロン・ブランド)の世話になる。ジャックの“相手の主張に乗っかる”説得方法のほうが学ぶところが多いのではと思ってしまうが、真実を証明するために自分語りをはじめるドンファンの情熱的な物語に、老年に差し掛かったジャックも徐々に影響されていく。

『ドンファン』(1994年)© New Line Productions, Inc.

本作の大きな見どころは、少しずつ“普通の青年”に戻っていくジョニデのセクシーぶり。ちょびヒゲ剣士からグランジ男子へのトランスフォームは今観てもグッとくる。虚言癖のある人物に対する治療としてはファンタジーに寄りすぎているように感じるが、周囲に無害な人間ならば寛容に接したい、そんな社会であってほしいと思わせる不思議な説得力がなくもない。

『ドンファン』(1994年)© New Line Productions, Inc.

当時のブランドはキャリアの晩年、その評価が激しく低迷していた時期だが、『白く渇いた季節』(1989年)で再び評価され、遺作とされているロバート・デ・ニーロ&エドワード・ノートンとの共演作『スコア』(2001年)も評価が高った。なおドンファンの最愛の女性として語られるドンナ・アナを演じるジェラルディーヌ・ペラスはすさまじい美女。2021年のフランス映画『すべてうまくいきますように』にもメインキャストとして出演していたので、ご存知の人も多いだろう。

なかなか驚きの結末は投げっぱなしなので、やけに情熱的な御伽噺として受け止めるのがいいかもしれない。とにかく周囲をメロメロするドンファンの不思議な魅力が若きジョニデのエロさにバッチリはまった、サクッと観られる快作だ。

『ドンファン(1994年)』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2024年12月放送

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