「ドンファン事件」呼称の元ネタは“1500人の女性をトリコにした色男”? 映画版のストーリーを解説

「ドンファン事件」呼称の元ネタは“1500人の女性をトリコにした色男”? 映画版のストーリーを解説
『ドンファン』(1994年)© New Line Productions, Inc.
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ドンファンとは何者か?

2018年に和歌山県の資産家(当時77歳)が殺害されたとして55歳年下の元妻が殺人罪に問われていた某事件の裁判員裁判で、無罪判決が言い渡された。故人を俗称で報道するのもどうかと思うが、彼が自ら名乗ったという“紀州のドン・ファン”は17世紀にスペインで書かれた戯曲に由来する。

その戯曲に登場するドン・ファンは超がつくプレイボーイで、その後も現代に至るまで様々な改変を加えて描かれた人物。そこに着想を得た映画『ドンファン』(1994年)はジョニー・デップ主演のファンタジックなロマンスコメディで、マーロン・ブランドフェイ・ダナウェイら豪華共演のヒット作だ。

『ドンファン』(1994年)© New Line Productions, Inc.

引退間近の精神科医ジャックの元に、1人の青年が引き渡された。仮面にマント、剣という時代錯誤な格好の青年は「私の名はドンファン・デマルコ。愛の貴公子」と名乗り、不思議な愛の遍歴を語り始める。そんな彼に感銘を受けたジャックは、自身も妻との情熱的な愛を取り戻していく。

本作は自分語りからのナンパ、からのベッドシーンという、なんとなくの知識で観たらドンピシャ期待通り……みたいな展開から幕を開ける。いわゆるマスク・オブ・ゾロ的な出で立ちで、“スペイン貴族の血を引く剣士”になりきっているドンファン(ジョニデ)。一体どうやって生活しているのかも定かではないが、過去の経歴もいっさい不明だという。まさか現代に転生したドン・ファン本人なのか……?

『ドンファン』(1994年)© New Line Productions, Inc.

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