「サウンドなくして『ライオン・キング』はありえない」
1994年にアニメーションが公開してから30年にわたって愛され続ける『ライオン・キング』。この曲を聴けば『ライオン・キング』とすぐに連想できるほど愛され続けている「サークル・オブ・ライフ」や、明るく前向きな気持ちにさせてくれる「ハクナ・マタタ」、1999年にアカデミー賞主題歌賞を受賞した感動の名曲「愛を感じて」など歌い継がれるたくさんの名曲があり、音楽が欠かせない作品でもある。
最新作『ライオン・キング:ムファサ』でメガホンをとったバリー・ジェンキンス監督は、じつはミュージカルパートがある作品は初挑戦。それでも「サウンドなくして『ライオン・キング』はありえない」と断言し、「重要だったのは、『ライオン・キング』の遺産と系譜に敬意を払うこと。でも同時に、新しい場所を開拓するために『ライオン・キング』サウンドの垣根を広げることに重きを置いた」と振り返っている。
監督は特に『ライオン・キング』のブロードウェイ・バージョンに目を向けており、「作品に携わったすべての人たちが、舞台の音楽的なサウンドスケープ(音の風景)を通じて、『ライオン・キング』をアフリカ大陸にさらに近づけていた」と作品の魅力を語つ。また、かれらが手がけた作品に接近しつつ、最新作ならではの楽曲を作り上げていった。
そして音楽家のリン=マニュエル・ミランダは、「『ライオン・キング』の映画、TVシリーズ、ブロードウェイ・ミュージカル、ビヨンセがプロデュースしたインスパイアード・アルバムなどに共通している、アフリカ音楽の伝統に浸り、楽しむことからアイディアを引き出していった」と明かしており、アフリカのリズムや伝統に精通しながら最新作の楽曲が製作された模様。監督とリンの、こだわりあふれるアフリカンなサウンドにも注目したい。
尾上右近×松田元太が兄弟の絆を歌う注目のミュージカルナンバー
最新作では、息子シンバを命がけで守ったムファサと、後にムファサを陥れるヴィラン“スカー”となる弟タカの絆が描かれる。そんなふたりの関係性を歌うミュージカルナンバー「ブラザー/君みたいな兄弟」では孤児のムファサと、“兄弟が欲しかった”という王の血を継ぐタカが運命の出会いを果たし、血のつながりを超えた“兄弟の絆”で結ばれていく様子が描かれている。
無邪気に喜び、元気いっぱいで仲睦まじいムファサとタカの姿を想起させるこの楽曲には、現在2人の男の子を育てているリン自身の個人的な想いも詰まっている。リンは「2人の男の子が一緒に成長することで生まれる、大騒ぎ、楽しさ、そして愛と競争といったことにおいて(自分が)特別な視点を持っているように感じました。子どもたちが「I Always Wanted a Brother」(「ブラザー/君みたいな兄弟」の原題)を歌っているのを見たとき、僕は“オッケー”となりました」と、子どもも気に入るキャッチーな曲の仕上がりに満足したようだ。
本作の超実写プレミアム吹替版では、主人公ムファサ役を務める尾上右近、ムファサの兄弟タカ(若き日のスカー)役を務める松田元太(Travis Japan)が、「ブラザー/君みたいな兄弟」を熱唱。圧巻の歌唱力と、まるで本当の兄弟のように仲の良い二人に注目が集まっており、楽曲のクオリティの高さにも大きな期待が寄せられている。最新作に込められた想いと、映像と共にストーリーを作り上げる新たな楽曲の数々にも乞うご期待。
『ライオン・キング:ムファサ』は2024年12月20日(金)より全国公開