世界が認めた筋肉! ロック様を楽しむ超常アクション
『ブラックアダム』(2022年)
5000年の眠りから目覚めた破壊神ブラックアダムは、かつて息子の命と引き換えに呪われた力を手に入れた。苦悩と悔恨に苛まれながらも、息子を奪われた復讐心から強大な力を使い、現代の地球で破壊の限りを尽くす。そんなアダムの前に、彼を人類の敵とみなすスーパーヒーローチーム“JSA”が立ちはだかるが……。
DCの最恐アンチヒーローが大暴れ! “ザ・ロック”ことドウェイン・ジョンソンが主演・プロデューサーを務めたアクション超大作。ドウェインのアメコミ映画参戦は多くのアクションファンが待望していたが、シャザムの宿敵でありスーパーマンに匹敵する力を持つブラックアダムは、まさにハマり役と言えるだろう。じつは単独映画化自体がドウェインのアイデアであり、観客の理解度が興収的な成功にもつながることを考慮した采配は、プロデューサーとしてのセンスも感じさせる。
そもそも自前の筋肉で超人を演じられる俳優は多くないので、その点でもドウェインの起用は必須だった。今後あらゆる作品に絡んでくるであろう最強キャラだけに、名も顔も知れたドウェインがDC映画の未来を背負うことになっていくかもしれない。
『ランペイジ 巨獣大乱闘』(2018年)
ある遺伝子実験の失敗でゴリラ、オオカミ、ワニなどの動物が巨大化。もはや怪獣と化した動物たちは、ある場所を目指して、北米大陸を破壊しながら横断していく。やがて一ヵ所に集結すると、街を舞台に大乱闘を開始! 巨獣たちの目的は何なのか? そして人間たちは、ヤツらを止めることができるのか!?
本作は、巨大化・凶暴化した動物たちが街を舞台に大乱闘を繰り広げる巨大怪獣パニック・アクション。最新の映像技術で描かれたクソデカ動物たちが恐ろしいが、ストップモーション全盛時代のモンスター映画の趣もあり、次第に愛らしさすら覚える。とはいえ注目したいのはドウェイン自身で、元特殊部隊員の霊長類学者というムチャな設定を軽々と乗りこなしつつ、80年代のアーケードゲーム原作ならではのムチャムチャな世界の中で縦横無尽に暴れまわる。シリーズ化希望!
筋肉アジア代表! マ・ドンソクの治安最悪マッスル映画
『悪人伝』(2019年)
ある夜、ヤクザの組長チャン・ドンスが、何者かにめった刺しにされる。奇跡的に一命をとりとめたドンスは対立する組織を疑い、手下を使って犯人探しに乗り出す。一方、暴力的な手段も辞さない荒くれ者の刑事チョンは、捜査を開始。この事件がまだ誰も気づいていない連続無差別殺人鬼によるものであると確信し、手がかりを求めてドンスに付きまとう……。
言わずと知れたマ・ドンソク主演、最新作『対外秘』が絶賛公開中のイ・ウォンテ監督による「任侠×殺人鬼×無頼刑事」の三つ巴が繰り広げられるバイオレンス・アクション。マ・ドンソクの分厚い筋肉はナイフくらいでは貫けないことがよく分かる、マブリー流サイコパス狩り映画。キム・ムヨルとの共演もアツい。
『犯罪都市 THE ROUNDUP』(2022年)
韓国・衿川署の強行班に所属する怪物刑事マ・ソクトは、チョン・イルマン班長と共に、逃亡した容疑者を引き取りにベトナムへと向かう。現地の容疑者から怪しい気配を感じた彼らは、秘密裏に異国での捜査を開始。やがて、背後に残忍な凶悪犯罪を繰り返すカン・ヘサンの存在を知る――。
マ・ドンソクが主演・プロデュースを兼任し、現在4作目が公開中のた大ヒット犯罪アクションシリーズ第2弾。正義感あふれる腕っぷし最強デカと、人命をちり紙感覚で奪う最狂のワルが、ベトナムを舞台に壮絶バトルを繰り広げる。塩味イケメンのソン・ソック演じるカン・ヘサンが怖い!
インド映画は筋肉もスゴい!友情マッスルに涙する『RRR』(2021年)
1920年、英国植民地時代のインド。英国軍にさらわれた幼い少女を救うため、立ち上がったビーム。一方、大義のために英国政府の警察官となるラーマ。熱い思いを胸に秘めた男たちは運命に導かれて出会い、唯一無二の親友に。だがある事件をきっかけに、2人は究極の選択を迫られることになる。選ぶのは友情か、使命か……?
ご存知『バーフバリ』シリーズのS.S.ラージャマウリ監督作品で、インド映画史上初めてアカデミー賞歌曲賞を受賞した。ムッチムチの筋肉を持つ2人の主人公のバッチバチのやり取り、そしてもはや筋肉どうこうを超越したスーパーエモアクションが3時間にわたって繰り広げられる、目と耳で摂取するエナジードリンク。
それは技か筋肉か?沈黙しない関西弁『グリマーマン』(1996年)
カップルを襲い、犠牲者をキリストのように磔刑にするという連続猟奇殺人事件がLA市民を恐怖に陥れていた。NYから赴任した刑事コールはLA市警の殺人課刑事ジムと組んで事件に当たるが、捜査は難航。やがてジムは、コールがかつて“グリマーマン”と呼ばれた特殊工作員だったことを知る。
流暢な関西弁を操る合気道の達人スティーヴン・セガールが、まるで『セブン』の世界に迷い込んだかのような逸品。殺人事件が恐怖の対象になるべきところ、セガールの容赦の無さがそれを上回っており、煽りセリフも最高(最凶)。セガールファンの間ではかなり評価の高い1本。
筋肉よりも水が欲しい?『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015年)
資源が尽きかけた未来世界。愛する者を失い本能だけで生きてきた元警官マックスは、恐怖と暴力で民衆を支配するジョーの軍団に捕まってしまう。だがジョーに反旗を翻した女戦士フュリオサが囚われていた女たちを率いて逃亡。マックスもその追跡劇に巻き込まれてゆく。
もはや説明すら野暮なジョージ・ミラー監督による歴史的名作。主演のトム・ハーディは完全プライベートで柔術の大会に出場し優勝するほどの猛者で、総合格闘技映画『ウォーリアー』(2011年)でもリアルなバトルを披露している。
「特集:金曜29日は筋肉の日 24時間スペシャル」はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2024年11月放送