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「連続殺人鬼に人生を狂わされた!」いまだ未解決の凶悪事件を描く緊迫サスペンスほか名作怪作が続々TV放送中

「連続殺人鬼に人生を狂わされた!」いまだ未解決の凶悪事件を描く緊迫サスペンスほか名作怪作が続々TV放送中
『ゾディアック』© 2007 Warner Bros. Entertainment Inc. and Paramount Pictures Corporation
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「ゾディアック事件」とは何だったのか?

ゾディアック・キラー、通称「ゾディアック事件」は60年代後半から70年代半ばにかけて、米サンフランシスコで計5名が犠牲となった連続殺人事件である。被害者は主に男女カップルで、殺害方法は銃やナイフによるものだった。犯人の似顔絵が作成されるほど目撃者がいたが逮捕には至らず、2024年現在もいまだ未解決のままである。

そんな事件を『セブン』(1995年)のデヴィッド・フィンチャー監督が事実にほぼ忠実に映画化。目撃者が存在しなった殺人に関しては映画内でもはっきり描かないという徹底ぶりで、しかし事件を追う側の人間ドラマは盛り盛りに深く描き出す手法によって緊張感を高めている。

米カリフォルニア州で若いカップルが拳銃で襲われ、女性が死亡。警察に通報してきた男は「犯人は自分だ」と言い残す。1か月後、新聞社に「ゾディアック」と名乗る者から2件の殺人に関する手紙と不気味な暗号文が届く。同紙の記者ポールらは取り憑かれたようにゾディアックを追うが……。

『ゾディアック』© 2007 Warner Bros. Entertainment Inc. and Paramount Pictures Corporation

フィンチャー監督の本気演出と被害者たちの存在

映画は全体的にジメッとした地味な画が続くが、60~70年代のザラついた映像のリアルを徹底的に追求しながらも、フィンチャーはCGによる当時のカリフォルニアの再現に予算と労力を注ぎまくったという。未解決事件ゆえに物語は「犯人に人生を狂わされた男たち」が軸になるものの、殺害シーンのエグさはフィンチャーの代表作の中でも群を抜いている。

『ゾディアック』© 2007 Warner Bros. Entertainment Inc. and Paramount Pictures Corporation

記者のポールを演じるのはロバート・ダウニー・Jr。新聞の風刺漫画家ロバートをジェイク・ギレンホール、殺人課の刑事デイブをマーク・ラファロがそれぞれ好演。いま見ると超・豪華キャストだが、フィンチャー監督は命を取り留めた被害者や遺族が存在する未解決事件ゆえに安易なエンタメ娯楽作にしたくなかったそうで、それがドキュメンタリックな演出に繋がっていると思われる。

『ゾディアック』© 2007 Warner Bros. Entertainment Inc. and Paramount Pictures Corporation

ゾディアック事件は犯人が投げかけた2つの暗号文の解読成功や、Netflixのドキュメンタリー『ゾディアックを名乗る者』(2024年)の配信によって近年再び注目を集めたが、地道に報道を追っていた人々にとっては特に新たな発見はなく、むしろ有力な犯人候補とされていた別の容疑者の名前が再浮上することに。しかし「数年も進展がないということは真犯人ではなかったのか」という落胆のほうが大きく、またしても足踏み状態に陥った感がある。

『ゾディアック』© 2007 Warner Bros. Entertainment Inc. and Paramount Pictures Corporation

そんなこんなで『ゾディアック』は鑑賞するのに多少の覚悟が必要になる作品ではあるが、「特集:秋のサスペンス&ミステリー」では同じくフィンチャー監督の『セブン』ほかフィクション作品も充実。メル・ギブソンが息子を誘拐されブチギレる成金を熱演した『身代金』(1996年)や、潔癖症の老オークション鑑定士がフェティッシュは趣味をご開帳する『鑑定士と顔のない依頼人』(2013年)、フローレンス・ピューとハリー・スタイルズが色んな意味で“紙一重”な夫婦演じた『ドント・ウォーリー・ダーリン』(2022年)などなど、秋の夜長にじっくり楽しみたいラインナップとなっている。

「特集:秋のサスペンス&ミステリー」はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2024年11月放送

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