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巧みに心理を操る「洗脳系」スリラー4選!最恐の“おもてなし”描く『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』今冬日本上陸

巧みに心理を操る「洗脳系」スリラー4選!最恐の“おもてなし”描く『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』今冬日本上陸
『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』©2024 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.
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必見「洗脳系」心理スリラー4選!

美しい白夜に繰り広げられるグチャドロの狂宴 『ミッドサマー』(2019年)

異才アリ・アスター監督が、一見穏やかな村の裏に潜む恐るべき洗脳の実態を描き世界に衝撃を与えたサイコロジカルホラーの傑作。

主人公ダニー(フローレンス・ピュー)は、家族を不慮の事故で失い傷心している女子学生。心の傷を癒やすべく、恋人クリスチャンと共にスウェーデンの田舎で行われる「90年に一度」の夏至祭に参加する。しかし、この一見美しい祝祭こそが、彼女たちの意識を巧妙に操り、自由意志を奪う精神的な罠だった……。高齢者が断崖から飛び降りる自殺儀式や、幻覚作用のある薬物を用いた儀式など、村人たちから執拗に繰り返される精神操作の数々。ダニーたちは、おぞましい儀式に巻き込まれ恐怖や不安に襲われるが、気づかぬうちに村のカルト的価値観に取り込まれ、自我を失っていく――。

アリ・アスター監督は卓越した演出によって観る者の精神をも徐々に侵食し、いつしか“洗脳”の渦中にいるかのような錯覚に陥らせる。単なるホラー映画の枠を超え、現代社会における“集団心理”の恐ろしさを鮮烈に描き出した作品だ。

ミッドサマー(字幕版)

PrimeVideo『ミッドサマー(字幕版)』© 2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.

「死刑囚の手紙」が静かに精神を支配していく 『死刑にいたる病』(2022年)

櫛木理宇の同名小説を、『凶悪』の白石和彌監督が映画化した本作は、巧妙な洗脳の罠に絡め取られていく青年の姿を描いた戦慄のサイコサスペンスだ。

主人公の筧井雅也(岡田健史)は、鬱屈とした日々を送る大学生。ある日、彼のもとに一通の手紙が届く。差出人は、24件もの殺人で死刑判決を受けた連続殺人鬼・榛村(阿部サダヲ)。中学生の頃によく訪れていた地元のパン屋の店主だった彼は、最後の事件が冤罪だと主張し、真犯人を突き止めてほしいと雅也に依頼する。しかし、この依頼こそが、榛村による巧妙な洗脳の始まりだった……。雅也は調査を進めるうちに、知らず知らずのうちに榛村の言葉に影響され、彼自身の人生観や行動に大きな変化をもたらすほど、その思考に取り込まれてしまう。

雅也の心が徐々に蝕まれていく過程によって、日常生活における人間の脆弱性や他者からの影響力の強さが浮き彫りとなっていく。そして、衝撃的なラストシーンでは物語の核心を成す重要な展開を迎える。「人間関係の支配」や「心理的な操縦」といったテーマを強烈に描き出し、人間の心理や関係性について深く考えさせられる作品となっている。

死刑にいたる病

PrimeVideo『死刑にいたる病』©2022映画「死刑にいたる病」製作委員会

権力という名の“洗脳”が〈人間性崩壊〉を引き起こす 『es[エス]』(2001年)

実在の心理実験を基に描かれたサイコスリラー。新聞広告で20人の男性が集められ、模擬刑務所内で「看守」役と「囚人」役に分かれて行われたこの実験は、人間の心を操る恐ろしい洗脳装置と化していく――。オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督は、権力による洗脳がいかに人間の本性を歪めるかを痛烈に描き出してみせた。

主人公のタレク(モーリッツ・ブライブトロイ)は、報酬が目当てで囚人役として実験に参加する。しかし彼らは、この実験こそが巧妙な洗脳の仕掛けだということを知らなかった。当初は和やかだった雰囲気が、徐々に歪んでいく。看守役の男たちは、与えられた権力に酔いしれ、次第に囚人たちを非人道的に扱い始める。それは単なる役割演技ではない。彼らの精神が、権力という名の洗脳によって書き換えられていくのだ。

わずか6日間で中止に追い込まれたこの実験。その間に起こる人格の変貌が、観る者の背筋を凍らせる。本作の核心は、与えられた役割や環境がどれほど簡単に人間の本性を変えてしまうかを描いた点だ。それは、私たちの社会に潜む“洗脳”、その構造の危険性を鋭く指摘してくる。

es[エス]【日本語吹替版】 [VHS]

es[エス]【日本語吹替版】 [VHS]

『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』12月13日(金)全国公開

~幸せファミリーの“おもてなし”の仮面の下に潜む、精神支配の罠~

『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』のジェームズ・ワトキンス監督が放つ戦慄のサイコスリラー。一見すると友好的な“おもてなし”の裏に潜む、恐るべき洗脳の実態を描き出している。ワトキンス監督の巧みな演出は、観る者の精神を徐々に侵食し、気づけば私たちも“洗脳”の渦中にいるかのような錯覚を引き起こす。

『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』©2024 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.

アメリカ人一家のベン(スクート・マクネイリー)と妻のルイーズ(マッケンジー・デイヴィス)、娘のアグネス(アリックス・ウェスト・レフラー)は、イタリア旅行中に出会い意気投合したイギリス人一家に招かれ、のどかな田舎の農場で週末を過ごすことに。このホスト一家とは互いに子どもも年齢が近く、ベンたちは親近感を抱いていた。しかし、この親切な招待こそが、悪夢の始まりだった……。

『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』©2024 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.

陽気ではあるのだが、どこか強引さも感じさせるパトリック(ジェームズ・マカヴォイ)。不自然なほど若く見える妻キアラ(アシュリン・フランチオージ)。そして、無口だが必死に何かを訴えるように感じさせる息子のアント(ダン・ハフ)。表向きは友好的な関係が続く中、パトリック一家の異常性が徐々に明らかになり、ベン一家は知らぬ間に彼らの異常な価値観に取り込まれていく――。

『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』©2024 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.

『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』は、単なるサイコスリラーの枠を超え、現代社会において自分でも気づいていない孤独が招く“洗脳”の巧妙さと恐ろしさを鮮烈に描き出している。他人の親切や好意を装った行動は、本当に“善意”によるものなのだろうか? ベン一家のように幸せそうに見える家族でさえ、じつは様々な“ほころび”がある。あなたにも、付け込まれかねない“隙”はないだろうか? この作品を観た後、あなたは他人から“おもてなし”を受けることに、慎重になってしまうかも……。

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