「第77回カンヌ国際映画祭」国際映画批評家連盟賞において、女性監督として最年少受賞に輝いた山中瑶子が監督・脚本を務め、河合優実を主演に迎えた映画『ナミビアの砂漠』のロングランを記念して、「ポレポレ東中野」にて山中瑶子監督の特集上映が決定した。
『あみこ』『おやすみ、また向こう岸で』ほか一挙上映!
山中瑶子監督の初監督作品『あみこ』は、2018年にポレポレ東中野で公開され、当時高校生だった河合優実が観客として見に来ていた。『あみこ』に衝撃を受けた河合は、その場で山中に手紙を渡し、「いつか出演したい」と伝えた。ふたりの劇的な出会いから5年、山中が河合を当て書きして「カナ」は生まれた。そして完成した映画『ナミビアの砂漠』は、「第77回カンヌ国際映画祭」の監督週間に出品され、女性監督として史上最年少となる国際映画批評家連盟賞を受賞する快挙を達成。今年9月6日より国内での公開が始まると、様々な批評を巻き込んで話題沸騰となり、観客動員数を伸ばしながら現在もロングランを記録している。
この大ヒットを記念して、「ポレポレ東中野」で本邦初となる<山中瑶子監督特集>の開催が決定した。今回の特集上映に向けて制作されたポスタービジュアルも解禁。映画『ナミビアの砂漠』の一場面を採用したデザインには、山中映画の活き活きとしたエナジーが表れている。
『あみこ』(2017年)
「どこへ行こうが意味はない、どうせ全員死ぬんだから」—そんなあみこ(春原愛良)が恋に落ちたのは、同じく超ニヒリストながらサッカー部の人気者でもあるアオミくん(大下ヒロト)。ふたりは愛だの恋だのつまらない概念を超越した完全運命共同体になるはずだったが…。
山中瑶子が19歳の時に映画を一緒に作る仲間をSNSで探し出し、20歳の時に完成させた初監督作品。あみこが拳にPUREを刻み込むように、この映画自体に宿る手に負えない愛嬌は制作から時を経た今も老いさらばえることなく、画面をエッセンシャルに充たし続ける。ポレポレ東中野の当時のレイトショーの初週動員記録を更新し、その後のロングランも含め多くの観客が詰めかけた。その中には当時高校生だった河合優実もいた。『あみこ』に衝撃を受けた河合は、その場で山中に手紙を渡し、「いつか出演したい」と伝えた。
【上映期間】11/16(土)〜11/22(金)、11/30(土)〜12/6(金)※上映時間は劇場HPにて
『おやすみ、また向こう岸で』(2019年)
主人ナツキ(三浦透子)は、ある違和感を抱えながら恋人のヒロキ(中尾暢樹)と同棲中。そんなとき、高校の同級生・カナコ(古川琴音)と再会し、ヒロキに明かせないままでいた本当の気持ちを吐露する。
『魚座どうし』(2020年)
みどり(根本真陽)と風太(外川燎)は、小学4年生。川を隔てた別々の町に住む、なんの接点もないふたり。あえて言えば、ふたりとも大人の事情に振り回されている。
映画作りを独学から始めた山中監督が「プロの現場で学んだことが今も大きな財産になっている」と振り返るのが、TOKYO MXのテレビドラマ『おやすみ、また向こう岸で』、文化庁主催「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2019」での完成作品『魚座どうし』。30分以内の限られた時間の中で、より濃密に、より曖昧に混じりあうもの。そしてラストシーンの鮮烈な後味。いまもどこかに眠っている映画の荒野を「短編」という形式で表出してみせた。山中映画のファンから熱烈な支持を受けながらも、これまで限られた機会でしかスクリーンで見ることのできなかった2本が、今回待望の特別プログラムとして実現。
【上映期間】11/23(土)〜11/29(金)※上映時間は劇場HPにて
『ナミビアの砂漠』(2024年)
やり場のない感情を抱いたまま毎日を生きている21歳のカナ(河合優実)。優しいけど退屈なホンダ(寛一郎)から自信家で刺激的なハヤシ(金子大地)に乗り換えて、新しい生活を始めてみたが、次第にカナは自分自身に追い詰められていく。
山中監督の長編商業映画第一作。主演は河合優実。ふたりの劇的な出会いから5年、山中が河合を当て書きして「カナ」は生まれた。137分のランニングタイムのなかで変成されていくカナの生々しさ。その魅惑的な画面は観客のなかに様々な感情を息づかせる。映画だけが語りえること、それゆえに言葉にし尽くせない興奮にあふれた日本映画の新しい傑作。スタッフ・キャストに若い力が集まった本作は、この時代に仲間と一緒に映画をつくる喜びと、その創造の記録でもある。国内での公開が始まると様々な批評を巻き込んで話題沸騰となり、今も観客動員数を伸ばしながらロングランを記録している。
【上映期間】11/16(土)〜12/6(金)※上映時間は劇場HPにて