「まずは“バク転のメカニズム”を想像した」
このたび解禁された映像は、マニーシュの驚異的な身体能力を捉えたもの。マニーシュは18歳の時に偶然観たボリウッド映画の<バク転>に衝撃を受け、ダンスを始めたという。
最初は「やり方」すらわからなかったが、まずはひたすら動画を見て“バク転のメカニズム”を想像することに。「バク転は後方に廻る。回るために体を反らせる、次は足の振り上げ」……と動きの一つ一つを解剖し、それに沿って自分の身体を合わせていった。
手探りでバク転を習得した当時を振り返りながら、その動作を再現するマニーシュ。とにかく踊ることが楽しい――そんな心の声が聞こえてきそうなほど、感情のままに身体を操っていくマニーシュの驚異的な身体能力は、力強くもしなやかな筋肉からもひしひしと伝わってくる。
リアル『リトル・ダンサー』を目指した青年と、彼を追い続けた制作陣
血のにじむような努力と、葛藤と、波瀾に満ちた人生を送る主人公マニーシュ・チャウハンは、そのドラマチックな半生が話題を呼び、2020年のNetflix映画『バレエ:未来への扉』として製作された際には本人役として出演、現在もダンサーとして活躍している。
そして本作『コール・ミー・ダンサー』は、彼のひたむきさとたゆまぬ努力、生まれ持っての明るい魅力が重なることで、既存のドキュメンタリーとは一線を画し、さながら“実話ドラマ”を鑑賞しているかのような没頭感を生み出した。
監督は、自身もダンサーとして長く活躍し、引退後プロデューサーに転身、バレエの舞台から、PBS、ディスカバリー チャンネル、A&E、CBS、アルジャジーラなど数々のドキュメンタリーで名誉ある賞を獲得してきたレスリー・シャンパインと、同じく25年以上ドキュメンタリーを中心に制作してきたピップ・ギルモアの2人。ストリートダンス、バレエ、コンテンポラリーダンスー夢を実現するため、年齢に応じて様々なダンススタイルに挑戦するマニーシュの姿と成長を捉えた映像は、ドキュメンタリー作品を超えた<クオリティ・ムービー>に仕上がっている。
『コール・ミー・ダンサー』は2024年11月29日(金)より新宿シネマカリテほか全国公開