『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』 全国公開中
時代の寵児となったジョーカーの前に突然現れた“謎の女”。レディー・ガガの歌唱と演技によって、未曾有の狂乱が世界へ伝播していく――。
コメディアンを夢見る心優しい青年が伝説的ヴィラン<ジョーカー>へと変貌していく姿を描き、文字通り社会現象を巻き起こした『ジョーカー』(2019年)。その続編となる『フォリ・ア・ドゥ』では、理不尽な世の中の代弁者として時代の寵児となったジョーカー(ホアキン・フェニックス)の前に、謎の女リー(レディー・ガガ)が現れる。孤独で心優しかった男の暴走の行方とは? そして、この理不尽な世界を生きるすべての人へ放たれる、前作をも上回る衝撃のラストとは――?
そんな本作でジョーカーに劣らぬ強烈なインパクトを放つのが、主人公アーサーが閉鎖病棟で出会う謎の女性・リーだ。理不尽な社会の代弁者として祭り上げられていくジョーカーを“信奉”しているリーは次第にアーサーの心の拠り所のような存在となっていき、同時に狂信的な言動によって彼をより深い悪の道へと誘い込んでいく。
ピエロメイクを施したリーは、アメコミの世界でジョーカーのパートナーとして知られる“女性ヴィラン”の存在を想起させる。しかし、本作に登場するリーは安易な憶測を許すキャラクターではない。「フォリ・ア・ドゥ」とはフランス語で「二人狂い」を意味する言葉だが、物語の結末はこのタイトルが表す狂気をはるかに超える衝撃度だ。
『ノーヴィス』 11月1日(金)より全国公開
実体験を基に作り上げた、常人が辿り着けない深淵の世界――。スポ根ジャズ映画『セッション』など錚々たる作品の音響を手がけてきたローレン・ハダウェイが初監督を務めた情熱と狂気の物語。
「困難だからこそ挑戦するのだ」――かのジョン・F・ケネディの言葉を胸に、アレックス(イザベル・ファーマン)は大学女子ボート部の門を叩く。猛烈に練習に励み、スポーツ万能な同期のジェイミー(エイミー・フォーサイス)にライバル心を燃やすアレックス。上級生のケガでレギュラーの座がひとつ空いた時、その座を巡って熾烈な争いが繰り広げられる。レギュラー入りで得られる奨学金がどうしても必要なジェイミーは画策に走り、その座を奪取。出し抜かれたアレックスは雪辱を果たそうとするが、その強すぎる執着心は次第に狂気を帯びてゆき……。激しい雨が降り、雷鳴轟く夜明け前、シングル艇に乗ったアレックスの暗くて熱い思いが炸裂する!
次第に狂気を滲ませていく主人公・アレックスを演じるのは、狂気のチャイルドスリラー『エスター』シリーズ(2009年~)で知られるイザベル・ファーマン。彼女は撮影前の6週間、毎朝4時半に起き、1日6時間もの水上トレーニングを行い、過酷な撮影に耐えられる精神と肉体を手に入れたという。そんな一切の妥協のない迫真の役作りで、映画祭でも多くの賞を受賞した。息を呑む緊張感の中で描かれる、アレックスの狂気に満ちた情熱に期待が膨らむ。
“最新の健康法”に潜む狂気とは?『クラブゼロ』の衝撃
12月6日(金)より新宿武蔵野館ほか全国公開
「意識的な食事」を説く謎の教師が、純粋無垢な生徒たちを支配していく――。ミア・ワシコウスカが言葉巧みに魅了する“ヤバい教師”を体現
“意識的な食事/conscious eating”という、「少食は健康的であり、社会の束縛から自分を解放することができる」という食事法を説く新任の教師・ノヴァク。彼女のもとで生徒たちは“最新の健康法”を実践していく。ノヴァクは独自の食事法を教えながら生徒たちに寄り添い、熱心に指導しているようにも見えるが、その方法はどこか“おかしい”。生徒の両親や校長先生が異変に気づいた頃にはすでに手遅れで、ついに生徒たちはノヴァクと共に【クラブゼロ】と呼ばれる謎のクラブに参加することになるが――。生徒たちが最後に選択する究極の健康法とは一体?
主人公・栄養学の教師ノヴァクを演じるのは、『アリス・イン・ワンダーランド』(2010年)をはじめ、多彩な才能から幅広い作品に出演するミア・ワシコウスカ。物議を醸すテーマ設定と鮮烈なビジュアルで強いインパクトを放つ作品を次々と発表し話題を集める気鋭監督、ジェシカ・ハウスナーから直々にオファーを受け、謎めいた教師を好演している。
生徒たちに向ける不気味な微笑みや鬼気迫る表情など、観る者の胸をざわつかせる狂気をはらんだ“ヤバい教師”ノヴァクの姿は必見! 誰も見たことのない衝撃作を、ぜひスクリーンで目撃しよう。