ジャッキー・チェンも『007』俳優も喰われた「60歳の美魔女優」がアジア人初の栄光を獲得『エブエブ』CS初放送

2023年『エブエブ』の衝撃

ファンタジックなSFカンフーアクション映画、『エブエブ』こと『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が日本公開されたのは2023年3月。その1年前に公開された本国アメリカでは「アカデミー賞大本命」と絶賛が相次ぎ、日本のメディアが監督やキャストにインタビューする頃には、すでに世界的なフィーバーの真っ最中だった。

そして迎えた第95回アカデミー賞では作品賞ほか最多７部門に輝き、主演のミシェル・ヨーがアジア人では初となる主演女優賞を受賞。ひさしぶりの銀幕復活となったキー・ホイ・クァンも助演男優賞を獲得し、祖国から逃れアメリカに渡ったアジア人俳優の奇跡的なサクセスストーリーと号泣スピーチは、世界中の感動を呼んだ。

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』©2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.

そんな『エブエブ』は日本でも多くの観客から「人生ベスト級」と絶賛されたが、なんだかハマらなかったという映画ファンも少なくなかった。公開前にアカデミー賞ほか世界中の映画祭を席巻したことで、「そこまでベタ褒めされる映画、どんなもんじゃい？」的な空気の醸成や、劇中で描かれる親子関係に対する是非、もちろんアジア系アメリカ人あるあるにノリきれなかったという人もいただろう。

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』©2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.

映画史を変えた名作が早くもCS初放送

しかしいま冷静に振り返ると、アカデミー賞の大舞台に東アジア系の人々がみっちり集っていたこと自体が奇跡的だし、ほとんどの受賞の納得度も高かった。そんな話題作の宿命と言うべきか、公開時になんとなくスルーして未だに観られていないという映画ファンがいることも理解できるし、そもそも次々と超大作が登場するハリウッドにおいて興味を引き続けるのは至難の業だ。

そこでオススメしたいのが、『エブエブ』のCS初放送である。テレビをつければ、2023年の映画界のあらゆる栄光をかっさらった超ド級の話題作が放送されている、そんな機会を逃す手はない！ ということで主演ミシェルのキャリアを超ざっくり振り返りつつ、CS映画専門チャンネル ムービープラスの＜『エブエブ』放送記念！ ミシェル・ヨー特集＞の作品ラインナップを紹介しよう。