堂本剛が“まる”を描くシーンで魅せた真骨頂『まる』美術シーンの裏側に迫るメイキング写真

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2024.10.26

ライター：#ニュース編集部

堂本剛が“まる”を描くシーンで魅せた真骨頂『まる』美術シーンの裏側に迫るメイキング写真 — 『まる』© 2024 Asmik Ace, Inc.

全6枚

主演・堂本剛、監督・脚本荻上直子で贈る映画『まる』が、10月18日（金）より劇場公開中だ。このたび、美術シーンの裏側に迫るメイキング写真が解禁となった。

堂本剛が27年ぶりの主演にして新境地を魅せる

2024年にデビュー26周年を迎えたKinKi Kidsとして国民的スターの顔を持ち、クリエイティブプロジェクト「.ENDRECHERI.」としても独自の道を切り開く堂本剛が、1997年に公開された『金田一少年の事件簿上海魚人伝説』以来、27年ぶりに待望の映画主演を果たす。

堂本が演じるのは、美大卒だがアートで身を立てられず、人気現代美術家のアシスタントをしている男・沢田。独立する気配もなければ、そんな気力さえも失って、言われたことを淡々とこなすことに慣れてしまっている。ある日、通勤途中に事故に遭い、腕の怪我が原因で職を失う。部屋に帰ると床には蟻が1匹。その蟻に導かれるように描いた◯（まる）を発端に、日常が◯に浸食され始める奇想天外な物語だ。なお、「.ENDRECHERI.」と「堂本剛」のWネームで、初の映画音楽にチャレンジするとともに、堂本剛の「街(movie ver.)」が本作の主題歌となっている。共演の綾野剛、吉岡里帆、森崎ウィン、柄本明、小林聡美ら豪華キャストも話題に。

監督は、『彼らが本気で編むときは、』（17）で「第67回ベルリン国際映画祭」観客賞＆審査員特別賞を受賞、『波紋』（23）で「第33回日本映画批評家大賞」監督賞を受賞するなど、国内外で高い評価を得る荻上直子監督。

堂本剛が「〇」を描くシーンで魅せた真骨頂

メイキング写真では、「〇」や、その他の劇中に登場する絵画に向き合う堂本の様子が捉えられている。映画冒頭に登場する吉田鋼太郎が演じる現代美術家・秋元洋治のアトリエでの一幕では、実際に沢田や矢島（吉岡里帆）、戸塚純貴演じる新人アシスタント・田中がキャンバスを油絵の具で塗っているが、リハーサルの段階では“塗るふり”で動きやタイミングなどをつかんでいった俳優陣。堂本は、絵画指導の百田智行氏に適宜アドバイスを仰ぎながら、乾いた刷毛をキャンバスの上で滑らせつつ筆入れの手際や所作を確認。長く絵を描いてきた沢田の“アクション”を身体に染みこませていった。

なお本作は、16mmフィルムでの撮影であり、荻上監督がファーストテイクにおける芝居の鮮度を好むことから、さほどテイクを重ねない傾向にあった。その緊張感の中だったが、メイキング写真でも、大きな絵を前にして笑顔を見せる堂本であった。

ちなみに、秋元役の吉田鋼太郎はシーン数的にもこの日のみの参加であったが、旧知の吉岡里帆との再共演に喜びを分かち合って現場を盛り立てる一方、芝居では気難しくピリッとした秋元の“アーティスト気質”をケレン味を加えながら体現し、ならではのスパイスを効かせていた。

沢田が多くの「〇」を描くことになる沢田の部屋は、横浜のとある古いマンションの一室を美術スタッフがまるまる装飾をほどこし、アトリエ兼住居に仕立てた。スタッフがこだわりぬいた部屋内で、縦横無尽に「〇」を描く沢田の姿は、本作の見どころのひとつだ。緊張感が漂うシーンも何度かあったが、堂本は一発目で均整のとれた見事な「〇」を描き、本番で真骨頂をいかんなく発揮する堂本に、スタッフ陣は本惜しみない称賛をおくっていた。