どうなる今年のハロウィン?
「ハロウィンを祝わないで」――思わず2度見してしまう衝撃的な規制措置に、日本も世界も驚いた。昨年10月、インバウンドで賑わう渋谷区がパンデミック後の爆発的な盛り上がりを懸念しての措置だったが、今年も渋谷・新宿では公共の場所での飲酒禁止条例が制定され、世界中で“ハロウィン禁”、“うぇい禁”を嘆く声が噴出している。
とはいえ日頃の鬱憤をハロウィンで発散したい……という想いは切実であり、できれば外貨もジャンジャン落としていっていただきたいというのも一つの本音ではある。ということで(?)、外で盛り上がるのがダメならばせめて自宅でハロウィン気分を高めたい! という方に、ハリウッド俳優たち大集合のCS放送「特集:ハロウィンナイト」をおすすめしたい。
「血ぃ吸うたろか」ハリウッドの2大名優に言われたい!
1994年の『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』という映画をご存知だろうか。小説「夜明けのヴァンパイア」を原作とするスリラー映画だが、その耽美でゴシックな世界観はハロウィン鑑賞にピッタリ。しかも主演はトム・クルーズとブラッド・ピットという、ただ並んで立っているだけで白飯が何杯でもイケる系の作品である。
現代のサンフランシスコ。野心家のインタビュアーが美しい青年ルイにインタビューを始める。――18世紀のニューオリンズ、25歳のルイ(ブラピ)は妻子を亡くして絶望していた。その繊細な魂に興味を覚えた美貌の吸血鬼レスタト(トムクル)は、彼に永遠の命を与えるべく首筋に牙を立てる。やがてルイは吸血鬼として蘇り……。
BL好きも必見! 美しき吸血鬼メンズの鍔迫り合い
当時ブラピは『リバー・ランズ・スルー・イット』(1992年)で世界的な評価を得てはいたが、まだまだ駆け出しの身。かたや『ミッション:インポッシブル』に挑む直前のトム・クルーズはイケイケ・ノリノリの全盛期で、彼らが演じる役柄の関係性に好影響を与えたようにも見える。そんな2人と絡むキルステン・ダンストはまだ少女だがさすがの演技力で、猛烈なワガママを爆発させ2人を翻弄する。
原作者アン・ライスは映画化の際にはアラン・ドロンとジュリアン・サンズをイメージしていたというが、もし実現していたらかなりの年の差カップルになっていたところだ。そして本作のエンドロールで「リヴァー・フェニックスに捧げる」と告げられるように、クリスチャン・スレーターが演じたインタビュアー役は当初リヴァーにオファーされていたという。
しつこいようだが最大の見所は、トムクル×ブラピがその演技力を発揮したBL(的)展開だ。攻めが受けを屈服させようとするが、歪んだ三角関係によってそれが覆されていくという、ある意味で非常に分かりやすい構成になっている。青白いイケメンたちが隙あらば誘い拒絶し、それでもカップル化からは逃れられないという、人間と同じ<業>に苦悩する姿は悶絶必至だ。