チョウ・ドンユイの目に涙、語らずとも葛藤を表現する必見シーン『国境ナイトクルージング』本編映像

チョウ・ドンユイの目に涙、語らずとも葛藤を表現する必見シーン『国境ナイトクルージング』本編映像
『国境ナイトクルージング』©︎ 2023 CANOPY PICTURES & HUACE PICTURES

「第76回カンヌ国際映画祭」ある視点部門に出品され、ハリウッド・レポーターが選ぶ<カンヌで見るべき20本>に選出。「第96回アカデミー賞」国際長編映画賞では、シンガポール代表となった注目作『国境ナイトクルージング』が、10月18日(金)より公開される。このたび、本編映像の一部とアザービジュアルが解禁となった。

若者だった全ての人へ贈る珠玉の青春ドラマ

本作の舞台は、中国の東北地方にある町、延吉(えんきつ)。朝鮮半島との国境がすぐ近くにあり、漢字とハングルが混在し、両国の文化が混じりあう街並みは、国内外から多くの観光客が訪れるほど人気の場所だ。知人の結婚式に出席するため上海からこの地を訪れたハオフォンだったが、お祝いムードになじめずその場を離れ、暇つぶしで観光ツアーに参加。しかし、その途中で携帯電話をなくしてしまい……。

主演は、2021年に日本でもスマッシュヒットを記録した『少年の君』での真に迫る演技が記憶に新しい、人気実力を兼ね備えたチョウ・ドンユイ。アンソニー・チェン監督とは本作が2度目のタッグとなり、脚本のない段階で監督からオファーされ快諾。人生に迷った自分の経験を重ねながら、ノーメイクでナナの孤独を表現している。極寒の町に足止めされるハオフォンには、大人気シリーズ『唐人街探偵』(15~)で天才探偵を演じたリウ・ハオラン。増量と髭を伸ばす役作りで、心をどこかに置き忘れたエリートを静かに演じている。ナナに片思いするムードメーカーのシャオには、Netflix映画『流転の地球』(19)、『あなたがここにいてほしい』(21)のチュー・チューシアオと、中国の人気実力派キャストが結集した。

監督を務めたのは、デビュー作『イロイロ ぬくもりの記憶』(13)で、「第66回カンヌ国際映画祭」カメラドールを受賞したシンガポール出身のアンソニー・チェン。撮影は『少年の君』(21)のユー・ジンピン。

チョウ・ドンユイの目に涙、語らずとも葛藤を表現する必見シーン

本作は偶然の出会いから、冬の延吉をクルーズ(ぶらぶらと観光)することになった男女3人に起こる心の変化を、煌めく映像美と叙情的音楽で綴る青春映画。深入りせずに、この瞬間をひたすら楽しむ、それが3人の暗黙のルールだった。

本編映像は、上海から来たエリート会社員のハオフォン(リウ・ハオラン)、バスガイドとして観光案内をしているナナ(チョウ・ドンユイ)、叔母の食堂を手伝っている料理人のシャオ(チュー・チューシアオ)の3人が出会い、酒を交わし、酔っぱらった状態でナナの部屋になだれ込んだ後の様子を捉えた場面。シャオが部屋の端にあったギターを手に取り、おもむろに「Susan’s Dancing Shoes」という歌を口ずさむ。すると、静かにシャオの歌に耳を傾けるナナとハオフォン。カメラは、まどろんできた彼らの姿をゆっくりと映し出す。その後、それまで明るく振舞っていたナナの目に涙が光るのだった。

チュー・チューシアオ本人が得意なギター&歌唱を披露しているという点でも注目の場面だが、なんと言っても、歌詞が自分に向けられているように感じているナナの切ない姿を表情だけで魅せるチョウ・ドンユイの見事な演技に注目してほしい必見のシーンだ。

アザービジュアルは全部で4種。本作で描かれる、誰もが一度は経験するであろう、葛藤を抱える若者たちの行き場のない感情を表現している。

『国境ナイトクルージング』©︎ 2023 CANOPY PICTURES & HUACE PICTURES

『国境ナイトクルージング』©︎ 2023 CANOPY PICTURES & HUACE PICTURES

『国境ナイトクルージング』©︎ 2023 CANOPY PICTURES & HUACE PICTURES

『国境ナイトクルージング』©︎ 2023 CANOPY PICTURES & HUACE PICTURES

『国境ナイトクルージング』は10月18日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開

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