数々の困難にも、師を信じ、一歩ずつ前進するマニーシュの姿に熱く胸を打たれる、感動のドキュメンタリー『コール・ミー・ダンサー』が、11月29日(金)より公開される。このたび、バレエダンサーを目指すマニーシュが鍛え上げられた肉体で宙を舞い、師匠とともにレッスンに励む場面写真と、監督からの力強いメッセージが解禁となった。
遅咲きのインド人バレエダンサーが、夢に向かってまい進する
ムンバイで大学に通うマニーシュは、ストリート・ダンスに興味を持ち独学で練習を始める。ある日、出場したダンスの大会で注目を浴びた彼は、出場していた他の選手にダンス・スクールに通うことを勧められ、決して豊かな家庭環境ではないながらもマニーシュに一生懸命、教育を施してきた両親からは反対される中、ダンス・スクールの門を叩くが、そこでバレエを教えるイスラエル人イェフダと出会い、バレエの虜になってしまう。優れた運動能力とたゆまぬ向上心を持つマニーシュに、必死で応えるイェフダ。しかし、バレエダンサーとして活躍するには、マニーシュは年を重ねすぎていた…。
レスリー・シャンパイン監督「芸術は人生を変えることができる」
場面写真は、マニーシュがバレエに目覚めるきっかけとなったバレエ・マスター、イェフダとの熱い語らいやバレエの厳しいレッスン風景のほか、ついに舞台に立つことになったマニーシュが鍛え上げられた肉体で舞台での跳躍に初めて挑む様子を捉えたカットとなっている。
本作のプロデューサーでもあり、監督のレスリー・シャンパインは、元プロのダンサー。本作を撮影するきっかけは、2016年、イェフダの生徒の一人が、ニューヨークとロンドンにある世界で最も競争の激しい名門バレエ学校にインド人ダンサーとして初めて入学を許可されたとき、世界中のメディアで大きく話題になり、映画製作者たちからイェフダに映画の出演依頼が殺到。イェフダは「ダンサーであり映画製作者として、私が経験者ならではの感性と視点を提供できることを知っていたので、このドキュメンタリーの制作を私に持ちかけました」と振り返る。
そして「ダンス映画は通常、私たちの世界を外側から見る人々によって作成されます。それらは職業の難しさを伝えることはできますが、多くの場合、ダンサーがなぜ痛みを乗り越えられるのか、その情熱と内なる喜びが描かれないことが多いのです。ダンスと映画というより大きな世界では、私と同じようにこの物語に命を吹き込める人は誰もいないことが明らかになりました」「一見すると、この物語は『リトル・ダンサー』と『ベスト・キッド』を掛け合わせたようなものです。しかし、これらの映画が生徒の変化に焦点を当てているのに対し、この映画は教師の変容の物語でもあります。イェフダは名高いキャリアの終わりにある孤独な曲者であり、インドで彼に敬意と愛情を示す生徒たちのおかげで自分の人生が救われることを知ります。彼は教師のみならず、家族になったのです」と明かし、監督自身「芸術は人生を変えることができます」「この物語が、世界中の人々に自分の限界を超えて夢を追う一助になることを願っています」とメッセージを送っている。
『スラムドッグ$ミリオネア』を思わせる混沌とした世界から、リアル『リトル・ダンサー』を目指すことを決意。血のにじむような努力と、葛藤と、波瀾に満ちた人生を送る主人公・マニーシュは、そのドラマチックな半生が話題を呼び、2020年のNetflix映画『バレエ:未来への扉』として製作された際には、本人役として出演、現在もダンサーとして活躍するマニーシュ・チャウハン。彼のひたむきさとたゆまぬ努力、生まれ持っての明るい魅力が重なることで、既存のドキュメンタリーとは一線を画し、さながら“実話ドラマ”を鑑賞しているかのような没頭感を生み出している。
監督は、自身もダンサーとして長く活躍し、引退後プロデューサーに転身、バレエの舞台から、PBS、ディスカバリー チャンネル、A&E、CBS、アルジャジーラなど数々のドキュメンタリーで名誉ある賞を獲得してきたレスリー・シャンパインと、同じく25年以上ドキュメンタリーを中心に制作してきたピップ・ギルモアの2人。ストリートダンス、バレエ、コンテンポラリーダンスー夢を実現するため、年齢に応じて様々なダンススタイルに挑戦するマニーシュの姿と成長を捉えた映像は、ドキュメンタリー作品を超えた<クオリティ・ムービー>として作り上げている。
『コール・ミー・ダンサー』は11月29日(金)より新宿シネマカリテほか全国公開