大物ラッパー、性的人身売買で逮捕か?
90年代に一斉を風靡し億万長者となった大物ラッパー<P・ディディ>ことショーン・コムズが先日、恐喝罪と性的人身売買の罪で起訴された。米国土安全保障省は3月にLAにあるディディの自宅を捜索しており、これは彼が直面している様々な訴訟の最中に行われたようだ。
ディディは複数の容疑に問われており、起訴状によると「彼は自身の築いた帝国を利用して性売買に関与し、女性たちを虐待する様々なシステムを構築していた」とのこと。恋愛関係を餌に被害者を誘い出し、のちに脅迫や虐待を行っていたこと、その中には第三者との性行為を撮影する行為も含まれていたという。
過去にディディが交際相手に暴力を振るっていた事実は本人も謝罪しているが、今回の逮捕は一カップルのDV事件とは大きく異なる。彼が秘密裏に行っていたパーティーには多くのセレブが参加していたと言われていて、その中には誰もが知る人気アーティストも。かつてディディと関わったセレブたちは今、慌てて過去のSNS投稿を作字しているというから、その闇の深さが伺い知れる。
人身売買から子どもたちを救え!映画『サウンド・オブ・フリーダム』の衝撃
児童誘拐、人身売買、性的虐待といった国際的性犯罪の市場規模は、年間約1,500億ドルと言われている。9月27日(金)より公開中の映画『サウンド・オブ・フリーダム』は、それらの犠牲となった少年少女を救い出すために過酷なミッションに挑んだ実在の人物、ティム・バラードの闘いを基にした衝撃の物語である。
アメリカでの公開時には賛否両論が巻き起こるも、「23年全米映画興収トップ10」にランクインするほどの異例ヒットを記録。最初の企画段階では完全なフィクションから始まったそうだが、国土安全保障省の元捜査官ティム・バラードによる人身売買された子どもたちの救出活動、それらフィクションを超える衝撃の事実を知ったことで、実話ベース作品としての方向性が定まっていった。
その作品テーマに実力派俳優ジム・カヴィーゼルが賛同し、主人公=マフィアの巣窟へと乗り込む連邦捜査官を熱演。監督と共同脚本を務めるアレハンドロ・モンテベルデが児童人身売買の底知れぬ非道さに真正面から斬り込むことで、心に突き刺さるハイグレードな映画として完成させた。
世界は腐敗したシステムの膿を出し切ることができるか?
先述のディディの件が表すように、今まさに腐敗の根源を叩かんとする風潮が高まっている。もちろん魑魅魍魎が跋扈する業界だけに掘り返せばキリがないのも事実だが、米エンタメ界のアイコンであったディディが実刑を受けることになれば、少なからず影響が現れることだろう。アメリカ本国でも多くのメディアが報じた『サウンド・オブ・フリーダム』の大ヒットも、それを物語っていると言えるかもしれない。
エンタメ界で起こった事件はゴシップとして扱われがちだが、本作が描くような人道犯罪の構造と、どこかで繋がっていたとしても不思議ではない。セレブの乱痴気騒ぎでは片付けられない大国の闇が、一気に噴出する可能性もあるだろう。
『サウンド・オブ・フリーダム』は2024年9月27日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開