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「アイヌと和人の狭間で揺れる若きサムライ」描く史実ベースの時代スペクタクル『シサム』は感動の〈人間×人間〉ドラマ

「アイヌと和人の狭間で揺れる若きサムライ」描く史実ベースの時代スペクタクル『シサム』は感動の〈人間×人間〉ドラマ
©映画「シサム」製作委員会
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壮大な大自然を背景に紡がれる「人と人」の物語

町全体がイオル(アイヌの伝統的生活空間)という考えの下、アイヌと和人が共生してきたという認識をもつ北海道白糠町で多くの場面が撮影された本作。北海道の大自然を背景に、激動の歴史の渦に巻き込まれた武家の若者が異なる文化や風習に触れ、それらを理解することによって己の人生を見つめ直すことになる――。本作は過去の歴史を描いた作品でありながら、現代に通じる社会問題を訴求させたことで、奇しくも“いま観るべき映画”となった。

©映画「シサム」製作委員会

主演は、阪本順治監督の『せかいのおきく』(23)や北野武監督の『首』(23)などの話題作に次々と出演し、著名な映画監督からの信頼も厚い寛一郎。共演に、三浦貴大、和田正人、坂東龍汰、平野貴大、サヘル・ローズ、古川琴音、要潤、富田靖子、緒形直人ら実力派が顔を揃える。脚本を手掛けたのは、「結婚できない男」や朝ドラ「梅ちゃん先生」など、大ヒットドラマを手掛けてきた尾崎将也。監督は「タイムスクープハンター」や小説「ブルバスター」がアニメ化されるなど、多岐にわたる分野で活躍している中尾浩之。

©映画「シサム」製作委員会

本作のタイトル<シサㇺ>とは、アイヌ語で<隣人>を意味し、アイヌ以外の人のことを指す。この『シサㇺ』のように、アイヌを丁寧に描いた作品が多くの観客に届くことによって、アイヌについてもっと考えたいと思う人が増えることが期待されている。このことは、時代を経て社会が多様性を求めるようになった傾向とも無縁ではないだろう。アイヌ施策推進法で先住民として認められることにはなったが、いまだ「先住権」は保障されていない現在、より国際的な理解を得るための文化・伝統の尊重が求められている。

©映画「シサム」製作委員会

主題歌は中島みゆきの「一期一会」。本作で描かれる“言葉にできない想い”は物語としてのセリフには乗せきれなくとも、この曲が力強く訴えかけてくれる。映画と相まって感涙不可避なので、しっかりハンカチを用意して映画館に行こう。

『シサム』は2024年9月13日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

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『シサム』

江戸時代前期。北海道の南西部にある松前藩はアイヌとの交易品を主な収入源としていた。松前藩藩士の息子、孝二郎(寛一郎)は兄、栄之助とともにアイヌとの交易で得た品を他藩に売る仕事をしていたが、ある夜、使用人の善助の不審な行動を見つけた栄之助は善助に殺されてしまう。兄の敵討ちを誓った考二郎は善助を追って蝦夷地へと向かうー。

出演:寛一郎 / 三浦貴大 和田正人 
   坂東龍汰 平野貴大 サヘル・ローズ 藤本隆宏 山西淳 佐々木ゆか 古川琴音(特別出演)
   要潤 / 富田靖子 / 緒方直人

監督:中尾浩之 脚本:尾崎将也 音楽:戸田信子 陣内一真

制作年: 2024