残暑を乗り切る“極寒”ホラー&サスペンス映画
『カニバル・ブリザード 食人峠』(2011年)
1846年、シエラネバダ山脈。ジョージ・ドナー率いる開拓団は雪に閉ざされ、飢えの苦しみから次々と食人行為に手を染めた――。そして現在。休暇を楽しもうとこの地にやってきた若者たちの1人が、遺体となって発見される。しかも、その半分は食い荒らされていた。これはドナー隊の呪いなのか……?
全米史に刻まれる最悪の食人事件(実話!)を題材に、閉ざされた雪山で軽率な若者たちが次々と惨殺&食べられる地獄を描いた衝撃のカニバル・ライド・ホラー。よくあるスプラッタと思って観ていると、かなり意外性のあるオカルティックなミステリー展開に面食らう快作だ。
『遊星からの物体X ファーストコンタクト』(2011年)
南極の氷の中で絶滅したはずの生命体が発見された。考古生物学者ケイト(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)は、世紀の大発見に沸き立つノルウェー観測隊の基地へと降り立つ。だが、氷塊にドリルで穴を開けた途端、解き放たれた生命体が隊員を襲い始める。体内に侵入した生命体は、細胞を同化してその宿主になりすまし……。
言わずもがなの名作SFホラー『遊星からの物体X』(1982年)の前日譚。南極基地で発見された未知の生命体の脅威と、疑心暗鬼になってゆく隊員たちの恐怖を描く、というプロットもほぼ同様だ。82年版の冒頭で描かれた犬VSヘリコプターなど「気になるシーンあれこれ」が明らかになるので、ぜひ併せて観たい一作。
『レディ・イン・ザ・ウォーター』(2006年)
フィラデルフィア郊外のアパートの住み込み管理人として、単調な毎日を送るクリーブランド(ポール・ジアマッティ)。ある晩、彼は中庭のプールで謎めいた娘と出会う。彼女はおとぎ話に登場する水の精“ナーフ”という存在で、“ブルー・ワールド”からある目的のために人間界にやってきたのだというが……。
平凡な毎日を過ごす男が、謎の美女と出会ったことから不可思議な事態に巻き込まれ、自らの“役割”に目覚めていく物語。いま若い世代にもじわじわと再評価が高まっている、「ネタバレ絶対NGの帝王」ことM・ナイト・シャマラン監督によるミステリアスなファンタジー作品。
『ヘイトフル・エイト』(2015年)
猛吹雪の夜、ワケありな7人の男と1人の女がロッジに閉じ込められた。1万ドルの懸賞金がかかるお尋ね者の女を連行中の賞金稼ぎは、この中に女の仲間がいるのではないかと警戒する。互いの疑心暗鬼が頂点に達したとき、最初の死体が出るが、それは予測不能な密室殺人の序章に過ぎなかった――。
吹雪でロッジに足止めされた男女8人の過去が、殺人事件をきっかけに繋がり始める。サミュエル・L・ジャクソンやカート・ラッセルら豪華共演、クエンティン・タランティーノ監督が仕掛ける極寒の密室ミステリー。
『カニバル・ブリザード 食人峠』『遊星からの物体X ファーストコンタクト』『レディ・イン・ザ・ウォーター』『ヘイトフル・エイト』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2024年9月放送