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夏のレジャーとしてのホラー映画
ホラー映画は“夏に観る”のが定番だ。これは世界共通のセオリーで、アメリカでも恐怖映画は(ハロウィンの秋ではなく)4~9月がオンシーズンだという。もちろん映画業界が作り出したトレンドという側面もあるだろうが、気候変動により夏の暑さが年々強まる中、映画館で涼を取るという選択は自然な流れとも言える。
うだるような暑さから逃れ、空調の効いた映画館でまったりホラー映画を楽しむ……。“日本中どこへ行っても人だらけ”な今、まさにホラー映画鑑賞は夏の贅沢なレジャーとなりつつあると言っても過言ではないだろう。
「ホラー映画を観ると涼しくなる」は真実か?
となれば、恐怖を感じることが実際に身体のクールダウンにつながるのかどうかは気になるところ。じつは、脳が恐怖を感知すると全身に<警告>を送り、それが消化器官の動きを遅め、エネルギーの放出を抑えようと血管が収縮。それに伴い筋肉も収縮して“震え”を感じるため汗腺が刺激され、やがて蒸発した汗によって「涼しい」と感じるのだそうだ(※諸説あり)。
とはいえ正直なところ、涼しさを感じるかどうかは人それぞれという部分が大きいとは思うが、ビジュアル面での分かりやすい“寒さ”には、人体は正直に反応してしまうはず。それならば、「どう見ても寒い」シチュエーションで起こる恐怖を描いた映画を観れば、より確実な体温の低下が期待できるのではないだろうか。ということで今回は、水や雪、氷の世界を舞台に描かれるホラー&サスペンス映画を紹介しよう。
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