ヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンの最強タッグが贈る最新作『憐れみの3章』が、9月27日(金)より公開される。このたび、本作の世界を監督&キャストらがひも解く特別映像が解禁となった。
ヨルゴス・ランティモス監督×エマ・ストーン
ヨルゴス・ランティモス監督のもとには世界的大ヒットとなった前作『哀れなるものたち』で壮麗で芸術的な唯一無二の世界を監督と共に作り上げた、エマ・ストーン、ウィレム・デフォー、マーガレット・クアリーが再集結。さらに、ジェシー・プレモンス、ホン・チャウ、ジョー・アルウィン、ママドゥ・アティエ、ハンター・シェイファーといった、折り紙つきの実力者が勢ぞろい。共同脚本に『籠の中の乙女』(09)、『ロブスター』(15)、『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』(17)のエフティミス・フィリップとの最強タッグが復活。ランティモス監督ならではのユーモラスでありながらも時に不穏で予想不可能な、独創的世界を描き出す。
唯一無二のランティモスワールドを豪華キャストが語りつくす
『哀れなるものたち』で空前絶後の物語を描き、世界中から絶賛と喝采を集めたランティモス監督が新たに贈りだすのは、“愛”と“支配”を描く3つのストーリー。先んじて公開を迎えた北米では、2024年度公開作品で館アベレージ7万ドルの新記録を達成。世界中で大きな話題を集めている。
映像内、ランティモス監督が「この映画の形式は過去の作品と違っている」と切り出したように、本作は<自分の人生を取り戻そうと格闘する、選択肢を奪われた男><海難事故で失踪した妻が、帰還後別人になっていた夫><卓越した宗教指導者になるべく運命付けられた特別な人物を懸命に探す女>という3つの奇想天外な物語で構成される。これまでにも唯一無二の独創的世界を贈り出し、映画界にその名を轟かせたランティモス監督にとってもアンソロジーは初めての試みだ。
この構成に至った動機を「3話構成にしたら面白そうだと思った。短編集のイメージだ」と説明するランティモス監督だが、そんな本作におけるテーマは「アイデンティティや信仰心…テーマは人間性だ」と明かしている。続けて、3つのキャラクターを演じることでランティモス監督が掲げるテーマを見事に体現したキャストたちが代わる代わる登場すると、ストーンは「私の役に一貫するのは愛や容認、支配されたい心と自由を求める心よ」と役に見出される共通点を解説。人間の奥底をのぞき込むような物語を作り上げるランティモス監督の手腕を、アティエが「異世界って感じだ。常識から逸脱してるからね」と讃えると、プレモンスは「関わり合いや状況がどことなく妙だ」とコメント。クアリーは「笑いつつ焦ったりして形容しがたい感情なの。“笑うところ?”と悩む」とチャーミングな笑顔をみせ、ランティモス監督作品だからこそ生まれる感情の機微についてを解き明かしている。
さらに、「彼の映画は苦悩を描くけど、本作の根底にはユーモアが流れてる」と語るチャウに続き、アルウィンは「現実の延長戦だ。不穏で滑稽でかなりダークだけどね」と本作で描かれるユーモアも忘れてはならない、と観る者に教えてくれる。デフォーに至っては「ストーリーがまさに監督の世界観だ」と本作の独創性に太鼓判を押している。
ランティモス監督だけが描き出せる世界で、果たして彼らはどのように異なる3つのキャラクターを演じ切ったのか。豪華キャストがその映画界最高峰の実力をもって彩るランティモス監督の衝撃作かつ集大成となる本作は見逃せない。
本作で演じた3役で、「第77回カンヌ国際映画祭」男優賞を受賞したプレモンスは、ランティモス監督と初タッグとなった本作を経て、「いい意味で、期待していたものとは違ったものでした」とうれしい誤算があったことを明かしており、「彼の映画の中には、登場人物を閉じ込めるようなルールに基づいて、とてもコントロールされているように見えるものもありますが、この作品はある意味、もっと実験的な感じがして、遊び心に溢れています」と本作の魅力を掘り下げる。
『憐れみの3章』は9月27日(金)より全国公開