『悪人』『怒り』で知られる吉田修一の傑作小説「愛に乱暴」が、江口のりこ主演、森ガキ侑大監督で映画化。映画『愛に乱暴』が、8月30日(金)より公開される。このたび、江口のりこ扮する主人公の姿にひんやりと肝を冷やす「残暑お見舞いカード」と、昨夏の撮影舞台裏を映したエモすぎるメイキング予告が解禁となった。
息もつかせぬ緊迫感に満ちたヒューマンサスペンス
夫の実家の敷地内に建つ“はなれ”で暮らす桃子は、義母から受ける微量のストレスや夫の無関心を振り払うように、センスのある装い、手の込んだ献立などいわゆる「丁寧な暮らし」に勤しみ毎日を充実させていた。そんな桃子の周囲で不穏な出来事が起こり始める。近隣のゴミ捨て場で相次ぐ不審火、失踪した愛猫、度々表示される不気味な不倫アカウント…。平穏だったはずの日常は少しずつ乱れ始め、やがて追い詰められた桃子は、いつしか床下への異常な執着を募らせていく…。
『悪人』『怒り』など人間の複雑な感情とその裏に隠された本質を鋭く炙り出してきた吉田修一の同名小説を、『おじいちゃん、死んじゃったって。』『さんかく窓の外側は夜』の森ガキ侑大監督が映画化。主演は、唯一無二の存在感とユニークで高い演技力を持つ江口のりこ。共演には、小泉孝太郎、風吹ジュン、馬場ふみから個性豊かな俳優陣が名を連ね、江口扮する主人公を追い詰めていく。江口のりこの振り切った怪演により、息もつかせぬ緊迫感に包まれたヒューマンサスペンスが誕生した。また本作は、歴史あるチェコの「カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭」コンペティション部門、香港国際映画祭(夏季)へも正式出品を果たし、世界でも高い評価を得ている。
“真夏の暑さのおかげでいいものが撮れる”
生い茂る緑の中で夏らしい黄色のワンピースを着てチェーンソーを抱きしめ、何かに心を馳せる表情を浮かべるのは、主人公桃子に扮する江口のりこ。その姿にひんやりと肝を冷やす残暑見舞いカードが到着した。そして共にお届けするのは、まさに昨年の今頃、灼熱の太陽の下で敢行された映画撮影中のキャストとスタッフたちの笑顔の舞台裏を集めたエモすぎるメイキング予告動画。
映画が撮影されたのは2023年8月。“命に関わる危険な暑さ”という注意喚起が日々呼びかけられる酷暑の中、この暑さがもたらした狂気が本作の重要なエッセンスとして本編を彩っている。江口のりこ扮する桃子からの、残暑お見舞いのボイスメッセージから幕を開ける本映像は、一丸となって暑さに負けない笑顔で乗り切った撮影時の様子と、次々とフィルム番号を記すカチンコを順番にリレーしていく森ガキ組のキャスト&スタッフたちのシーンで構成されている。
本編とは違ったリラックスした笑顔を見せる江口のりこ、風吹ジュンや馬場ふみか、斉藤陽一郎らキャスト陣の様子も交え、原作者吉田修一、森ガキ監督の熱いコメントも載せて、映画製作の過酷さとそれでも大人たちが夢を追う映画という魔術のすばらしさを感じさせるエモーショナルなメイキング予告となっている。
森ガキ監督は猛暑での撮影について、「浅野忠信さんの記事の中で相米慎二監督の夏の現場についてふれていて、『真夏の暑さのおかげでいいものが撮れる』といった発言を読みました。桃子だけでなく照子や真守も含め、人間のおかしさみたいなものが、この暑さのおかげで出てきた気がします」と振り返っている。
『愛に乱暴』は8月30日(金)より全国ロードショー