原作・押切蓮介×監督・白石晃士による映画『サユリ』が、現在全国公開中だ。8月23日(金)、公開初日を記念して、主演・南出凌嘉をはじめ、根岸季衣、近藤華、原作者の押切蓮介、監督の白石晃士が登壇する公開記念初日舞台挨拶が開催された。
怖いだけじゃ済まされない“進化系最恐ホラー”
累計20万部を突破し、異能・押切蓮介のホラー表現到達点と呼ばれるホラー漫画「サユリ」は、とある家族が夢のマイホームへと引っ越した途端、次々と不可解な現象に襲われるというストーリー。監督は、大ヒットホラー『貞子vs伽椰子』や、松坂桃李主演のサスペンススリラー『不能犯』などの白石晃士。これまでに、幽霊、呪い、オカルト、モキュメンタリーなど様々なジャンルのホラー作品を数多く手掛けてきた、まさに“ホラーを知り尽くした映画監督”である。
祝“進化系最恐ホラー”公開!公開記念初日舞台挨拶
漫画家・押切蓮介によるオカルトコミックを、『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズで知られる鬼才・白石晃士監督がハイブリッドに実写映画化した本作。無事に公開初日を迎え、公開記念初日舞台挨拶が都内映画館で開催され、主演の南出凌嘉、共演の根岸季衣、近藤華、原作者の押切蓮介、そして白石晃士監督が登壇した。公開を待ちわびたファンの声援と響き渡る拍手のなか登場。6年越しにようやく公開を迎えたという本作について、白石監督は、「感無量でございます。ありったけの思いを込めて作った映画なのでぜひ楽しんでください」としみじみと観客に挨拶した。
そして、自身の漫画が映画化され念願の公開を迎え感無量と話す押切は、「朝からずっとエゴサーチをしていて、今はエゴサ疲れしています。でも、帰ったらまた引き続きエゴサを楽しもうと思ってます」と早速本編を鑑賞したファンの感想を気にかけている様子。続けて白石は、人気漫画の実写映画化を自身が手がけたことについて聞かれると、「この作品には生命力の価値が描かれていると思いました。死の世界と生命力の世界、両方を描くことを核として作りました」と監督ならではの見解を明かした。
白石監督「演技を観た時に彼女しかいないと思いました」
本作でホラー映画初挑戦となった南出と近藤はオーディションで抜擢されたという。その決め手となった理由について白石監督は「南出さんは風貌が押切さんの漫画に出てきそうなお顔付きだなと思ったのと、オーディション時の雰囲気がまさに則雄だった」と答え、オーディションでの南出の佇まいを褒めちぎる。近藤については、「役に誠実に向き合う姿勢であることと、演技を観た時に彼女しかいないと思いました」と太鼓判を押した。白石監督からの絶大な評価を得た南出と近藤からは思わず笑みがこぼれた。
原作漫画でも屈指の人気を誇るキャラクター“ばあちゃん”を演じた根岸は、映画化にあたって大胆な衣装や髪型にチャレンジしたことが話題に上がり、「原作漫画からビジュアルが離れてしまって申し訳ございません」と原作者・押切に伝える場面も。すかさず押切は「最高でした。笑かしてもらいました」と逆に大絶賛の感想を送った。また、根岸との共演を夢のようだと話す南出は、「あっという間に撮影期間が過ぎてしまって寂しかったです。自分より先に根岸さんがクランクアップを迎えた時が一番悲しかった」と当時の思い出を回顧。すかさず根岸は「わたしもよ!」と思いを伝え、ストーリーでも感じられる“則雄とばあちゃん”の絆が、南出と根岸からうかがえる一面を見せた。
南出凌嘉「観終わったらなぜか元気が出る映画です」
そんな人気キャラ“ばあちゃん”をどのように生み出したのかを聞かれた押切は「僕の母がモデルです。今日もこの場に母が見に来ているのですが、母はこのことを知らないのでを衝撃を受けていると思います」と明かし、会場全体が驚きに包まれた。
続けて、ファンから募集した質問に答えるコーナーでは、はじめに<撮影中の印象に残っているエピソードは何か>と聞かれ、近藤は「みんなで休憩時間によくトランプをしていたんですけど、人間役の方と幽霊役の方が混ざっていてすごく不思議な光景でした」とアットホームな現場の様子を語った。南出は「見た目が怖い“サユリ”さんが一番現場をほのぼのさせてくれていました」と明かした。続けて、<実際に幽霊が目の前に現れたら立ち向かいますか?>という質問対しては、全員が立ち向かわないという答えが一致。白石は「実際に白い手を目撃したことがあるのですが、その際は握手したくて掴もうとしました。近づきたいし触りたいです」とまさかの恐怖エピソードが。同じく立ち向かわないと答える南出は、「一緒に住んで仲良くなれたら良いですね」と南出らしいほのぼのとした理由をあげる一方、近藤は「逃げるか固まるか。もし戦うなら口論します。口で戦います」とそれぞれ幽霊に対しての対策を話す。
最後の挨拶では、南出「本作は今までにないホラー映画となっております。すごく怖いんですが痛快で観終わったらなぜか元気が出る映画です。一人でも多くの方々に観ていただきたいです!」、近藤「私自身ホラーが得意ではないのですが、そんな私でも楽しめました。周りにそんな方がいたらホラー以外の要素でも楽しめるよということを伝えてあげて欲しいです」とホラー映画初挑戦ならではの言葉を向けた。押切は「僕と白石監督が“最恐タッグ”と謳われておりますが、まだLINEの交換をしておりません。この映画がヒットしたらぜひLINEの交換をさせていただきたいです!」と会場の笑いを誘った。白石「フラットな気持ちで映画に身を任せていただいて、怖くて楽しい思いをしてください。ホラーってこういう映画もあるんだと楽しみを知っていただけたら嬉しいです」と熱い想いで締めくくり、大盛況の中イベントは終了した。
『サユリ』は全国公開中