「この都市伝説は実話なのか?」警察に電話が殺到
韓国での公開発表後、ストーリーを見た人々によって「この都市伝説は実話なのか?」と多くの関心を誘い、韓国中の話題をさらった本作。雉岳山を管轄する江原道・原州市の警察に電話が殺到したことにより、警察が「記録自体なく、事実無根」だと発表する事態に至ったという。
さらに、原州市側と市民団体からも「地域のイメージが著しく損なわれる危険性がある」として、製作会社に対し上映禁止仮申請が出され、公開中止を求める訴訟に発展。劇場公開に至るまで、その動向が注目されたいわくつきの超・問題作だ。
そこまで人々の大きな関心を呼んだ「雉岳山18分割連続殺人事件」とは、一体どんな内容なのだろうか?
「雉岳山18分割連続殺人事件」の真相
「雉岳山18分割連続殺人事件」はその名の通り、1980年に韓国の江原道に実在する山<雉岳山 チアクサン>で身体を18個に切断された10体の遺体が発見された……という都市伝説である。
しかも、最初に登山客とみられる男性の遺体が発見されて以降、毎週バラバラに切断された遺体が発見されたという。その切断面は当時再現することが不可能なほど、あまりにも“滑らか”だったそうだ。
結局、犯行に使用された道具や被害者の情報などが明らかになることはなく、事件は迷宮入り。バラバラ殺人自体が当時は珍しく、遺体も凄惨な状態であったため捜査は秘密裏に行われ、マスコミにも公表されていない――というのが概要だ。
公開中止騒動が大きく報じられた本作だが、韓国の名作ホラー『哭声/コクソン』(2016年)も実際の地名である「谷城」をタイトルに使用できず、やむを得ず読みが同じ「哭声」に変更したというエピソードがある。かたや本作は“あまりにも滑らかな切断面”を映し出し、“ある驚きの展開”を迎えるが、件の騒動を含めオカルトファンは、きっと一段階上の興味をくすぐられるはずだ。
『雉岳山 チアクサン』は2024年8月23日(金)よりシネマート新宿ほかにて全国順次公開
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『雉岳山 チアクサン』
雉岳山でダウンヒルを楽しむ計画を立てていたマウンテンバイク・サークルのメンバー、ミンジュン、ヒョンジ、ヤンべ、スア、イサクたち。18分割連続殺人事件が起きたというこの山の“都市伝説”のことは知らずに…。山へ向かう途中、謎の老婆に遭遇し「ここに来るな。来たら全員、死んじまう」と告げられるが、ミンジュンたちは引き返すことなく雉岳山へと向かう。
到着後、山小屋で過ごしたり、コースを確認したりと、それぞれに行動するメンバーたち。その時突然、大きな揺れと赤い光が彼らを襲い、山小屋の周りで次々と異変が起こる。積み上げられた石、シュメール語の壁画、そして何者かに洗脳されたように様子がおかしくなっていくメンバーたち…。雉岳山には、何が隠されているのか…?
制作年: | 2023 |
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2024年8月23日(金)よりシネマート新宿ほかにて全国順次公開