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「トランスジェンダーの恋人の性転換手術のために」銀行を襲った男の実話を映画化『狼たちの午後』は酷暑にこそ観るべき傑作

「トランスジェンダーの恋人の性転換手術のために」銀行を襲った男の実話を映画化『狼たちの午後』は酷暑にこそ観るべき傑作
『狼たちの午後』© Warner Bros. Entertainment Inc.
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夏にこそ観たい『狼たちの午後』

今年も毎日、とにかく暑い!「酷暑」という表現も体感気温をチリチリと上げているかのようで、蒸し暑さをあらわす「溽暑(じょくしょ)」という言葉すら脳裏をよぎる。そんな夏の季語はさておき、暑い夏にこそ観たい映画がある。アル・パチーノ主演、名匠シドニー・ルメット監督の『狼たちの午後』(1975年)だ。

狼たちの午後 (字幕版)

PrimeVideo『狼たちの午後 (字幕版)』Eirin Approved © 1975 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved

70年代のアル・パチーノはスゴい!

本作は原題を『Dog Day Afternoon』という。「Dog Days」とは欧州圏で「夏まっ盛り」という意味で、7月末~8月末の時期の星座(おおいぬ座)の動きにちなんでいるのだそう。つまり「狼たち」は邦題オンリーの表現だが、その後の洋画邦題に「狼たちの~」が使われまくっていることからも、秀逸なワードチョイスと言わざるをえない。

『狼たちの午後』© Warner Bros. Entertainment Inc.

さて『狼たちの午後』の物語だが、1972年に起った銀行強盗事件を描いた実話ベースのクライムサスペンスである。そこで白羽の矢が立ったのが、実話ベースの会派映画『セルピコ』(1973年)が絶賛されたルメット監督。ルメットは再びアル・パチーノを主演に迎え、彼の強い要望で『ゴッドファーザー PART II』で共演したジョン・カザールとともに強盗犯を演じた。

上記の作に加えて1979年の『ジャスティス』で4度のアカデミー賞主演男優賞ノミネートを果たし、まさにキャリアの絶頂にあったアル・パチーノ。オスカー獲得は1992年公開の『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』までお預けとなるが、70年代のパチーノの演技だけでも観る価値のある作品である。

『狼たちの午後』© Warner Bros. Entertainment Inc.

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